※ご注意です※
以下はSPNのS×Dのパロディ小説です。
意味のわからない方、興味のない方は、
ご覧にならないようにお願い申し上げます。

※R-18要素を含みます※

「生えたのは僕が先。」
side:DEAN



 …まさか、あんな昔の事を覚えているとは思わなかった。


いつものようにウェイトレスのオンナノコを眺める振りをして平静を装いながら、俺は内心で驚きを隠せずにいた。

あの頃。エレメンタリースクールに通い始めたサムの世界は、やっと父とディーンとジム牧師だけの人間関係から外へと広がり始めていた。

ねえねえ、とサムが慌てたそぶりで部屋の隅にひっぱるから、また何か虫でもいたのかと思って苦笑してついていってやると、縋るような顔をして奴はこういったのだった。

「なんかね、ここにちょこっとだけ毛が生えてきてるんだ……
これ、なにかわるいびょうきなの………?」

少し濃い目の色の金髪と、ヘイゼルグリーンの瞳を潤ませたサムは天使みたいだったのに。



それなのに。



“…ちょっと待てよ、まだこいつ8歳だぜ?!早すぎるだろ!!!??俺だってまだ殆ど生えてないのに……”


その頃の俺は、なかなか伸びない身長とオンナノコより綺麗な顔立ち、それから一向に生えないヒゲとそれからほんの僅かしか生えていない陰毛に悩んでいた。

学校には、父の手伝いやサムの世話などで行けたり行けなかったりしているが、それでもそつなくオンナノコにはモテていたし、友達ともソコソコうまくやっていた。

…だが、第二次性徴が一向に進まないのは、男としての沽券に関わると思っていた。確かにその頃俺は同級生に比べて少し小柄だったけど。
もう12歳なのに。ボーボーでその上初体験を済ませてしまった奴だっているのに。

こんなんじゃ、ナンパも満足にできやしない。

そんな自分にとって、我侭ながら甘えん坊で天使のような弟のサムが、自分を追い越して生えてしまったと言うのは天地がひっくり返るほどのショックだった。


既になんといって言いくるめたのかは覚えていない。

その日から、俺はサムと風呂に入るのを止めた。
ほうっとくと頭を洗わないで出てくるサムの髪を掴まえては洗ってやり、風邪をひかないように乾かすのを監視して、一緒のベッドに潜り込んでくるのを文句を言いながら受け入れるのが常だったが、どんなにサムが強請っても泣いても、風呂だけは一人で入れとがんとして譲らなかった。


『ココ、生えたのはぼくの方が先だったよね』


―それもすべて、こんなセリフをこいつに言われたくなかったからだったのに。

そう言えば、こいつは昔から恐ろしいほど記憶力が良かった。

俺がお菓子を一コ多く食べたとか。約束の時間に帰ってこなかったとか。
そんなくだらないことをイチイチ覚えていてはウジウジしていた。

そんなところも全て、可愛くて仕方なかったのに。

それなのに大きくなって俺をそ知らぬ顔で追い越したこいつは、そうだ、と言いことを思いついたかのようにしてとんでもない事を言い出す。



「あの頃みたいに、ツルツルにしてあげたら、ディーンも少しは可愛げが出るかも…」


にっこりと好青年の顔で笑って、言う事は正に悪魔の所業だ。

俺を?俺の何処をツルツルにするっていうんだ!

四歳でお前のオムツを変え、ミルクを飲ませ、おんぶしてあやして、人生に絶望した親父の代わりに青春を捧げて必死にお前を育ててきたこの俺の、何処を!!??

しかも、一番わけがわからないのは、ここまでこの手で育ててきた弟に、
そんな事を言われて、ズクリ…と体が疼いてしまう、俺自身かもしれない。

ニヤリとちょっと妄想しているような顔をして視線をそらすオトウトが、一体何を考えているのか。

俺にナニをしたがっているのか。

考えただけでもブルッと身体の芯が震えそうになる。


あぁ…サミィがおかしいとしたら、そう育てたのは間違いなく俺だよな。


サムの言葉をヘンタイ!とからかい罵りながら伝票を掴む。

そうして支払いを済ませて先に店を出ながら、今夜あのオトウトが俺に何をするのかを考えて、膝が砕けそうになる。

サムとの行為は、今までのオンナノコ達とのそれが幻だったみたいに、深くて激しい。

その行為を、止めたげな素振りで、こんなにも待っている自分は―――


“やっぱ、ヘンタイかもな…”


溜息をつきながら後ろを振り返ると、サムは身振りで脇のドラッグストアに寄って行くと合図している。

ひらひらと手を振ってモーテルに戻りながら。ふと。

…あいつナニ買うつもりなんだろう。…まさか、な。と。

一瞬妄想してしまった自分を叱咤しつつ。サムが戻って来る部屋へと足を踏み入れた。





【END】20080915





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おにいちゃんはサムになにされてもいいぐらいダイスキだと思うんですよね。。。ブツブツ文句言ってるのは口だけで。
きっと心臓を抉り出して差し出したいぐらい好きだと思います。
ヘンですいません(汗)

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ぶらうざもどるでおねがいしますー