JaJe AU R-18

【 Private Islands 】
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 ねえ、ジェンセン。

 ジェンのニューイヤー休暇を、僕に2日間くれない?



 そう聞かれたのは、クリスマスから正月にかけてのスケジュールが確定したSEASON4撮影の休憩中で。

 忙しく立ち働くスタッフ達の中で折り畳みのスタッフチェアに隣同士で座って、準備が出来るのを待ちながら台本をチェックしていた時のこと。

 11月のバンクーバーは冷え込みが厳しく、待ち時間にはいつもごっそりとしたファーの付いた揃いのダウンコートを二人して着込んでいる。

 ふわふわのファー付きフードに囲まれたジャレッドは甘いカフェラテを啜りながら、唐突に話を変えると、ジェンセンの耳元に顔を近づけそっと耳打ちした。

「2日間って…泊まりか?いったいどこへ行くんだ?」

 話題の転換に驚き、なんだろうと思って聞き返すと「場所はナイショ」、と子供みたいな悪戯っぽい笑顔で楽しそうにジャレッドは目を逸らす。


―絶対にこいつ何か企んでる。

 そうは思ったけど、それがイヤじゃない自分が憎らしい。

 嬉しいのだ、ジャレッドが自分の為に、何か考えてくれる事が。

 イタズラでも、何でも構わない。

 いいけど、あんまりとんでもないとこに連れてくなよ?と一応念を押して了解をしながら、ジェンセンは、彼が一体どんなところへ
連れて行ってくれるのだろうと新年の休暇を今から心待ちにしていた。


 12月25日―ちょうどクリスマス当日までで、年内の撮影は全て終了した。

 その日はスタッフ達で大騒ぎのパーティをして、そのあとは、年が明けた1月6日まで、10日余りのNEWYEARHOLIDYに入る。

 ジャレッドは年明けの3日に互いに帰省をする予定の地元の空港で
待ち合わせをすることを提案して、約束だよ!とキスをして笑顔で犬達を連れて帰っていった。













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