※ご注意です※
以下はS/Dの妄想小説です。
意味のわからない方、興味のない方は、
ご覧にならないようにお願い申し上げます。

※R-18要素を含みます※

【 Sky Drive 】





(中略)





  
 眠れない、と訴えたサムが欲しがったのは、予想を超えておかしなものだった。

 金では買えない。まず間違いなく。

 何が欲しいんだ、と聞いた兄に、サムは『匂いのするものがあれば、落ち着くと思うんだ』と真剣な顔をして言った。

 匂い?におい?なんの匂いだ?

 眠れる匂いって、なんだよ、ラベンダーとかか?と真面目に問い返したディーンに、だから、その、ディーンの匂いだよ、と真顔でサムは言い募る。

 おれの匂い?なんで?

 呆気に取られて問い返す。

 一人暮らしと、悪い出来事に付き物なのが、『ディーンの不在』だったのだとサムは説明する。

 だが、今は一人暮らしを回避することはできない。だからせめて、ディーンの不在を解消するように脳に錯覚させれば、眠れるようになるのではないかと。

「それで、おれの匂いか…?」

 うん、と至極真面目な顔をして答えられ、ディーンは頭を抱えそうになった。

 でも、まあいい。サムがそれで眠れると言うのなら、なんだかとてつもなく妙な気がするが、それでもいい。

「…それで、どうすりゃいいんだ?おれの汗を固めたアロマキャンドルでも作ってきたらいいのか?」

 半ば自棄になって問うと、それもおもしろそうだけど、とサムは言い、出来るだけ匂いが強くついている、衣類がいいと思うんだ、と小さい声で言った。

 たとえば、脱ぎたての下着とか。

 言われて、ディーンの頭は真っ白になった。



 …いま、こいつ何て言った?



 石になっているディーンに、サムはごそごそとバッグの中から紙袋を取り出した。

「これ、替え」

 トイレはあっちだよ。

 そう言われて、促され、いやいや、と我に返る。

「ちょっと待て。サム、お前、まさかふざけてないよな?」

「僕は至極真面目だ」

 真顔で返されて、じっと顔を見る。サムは悪戯をするときは、口の端か小鼻のどちらかがぴくぴくするので、嘘をつくとすぐにわかる。残念ながら、今は全然ぴくぴくしていない。

 しかたなくわかった、と頷き、だがな、と上目遣いにみる。
「その、そんなもんで、お前の…、不眠、が治るとはおれには思えないんだが」

「治るかどうかは僕にもわからないけど、でも、それがあれば、僕は安心して眠れるように思えるんだ。それって一番大事なことだろ?」


 聞かれてまあそうだな、と思ってしまったのが運の尽きだった。

 


 














(一部抜粋)







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※さみーは猛烈におにいちゃんの匂いフェチなので、そんなさみーでも大丈夫といってくださる方だけ宜しくお願いします〜