※ご注意です※
以下はJA/JEの妄想小説です。
意味のわからない方、興味のない方は、
ご覧にならないようにお願い申し上げます。

※R-18要素を含みます※
【 Dentist’s Lover 】





(中略)





 ふと眼が醒める。自分がべったりと頬をくっ付ける様にしている、暖かいものの鼓動を感じる。

 しばらくして、ジェンセンは、自分がくっついているのが逞しい誰かの胸板であり、状況から鑑みるに、まるでお気に入りのぬいぐるみのようにジャレッドに抱き竦められて眠っているということに気付いた。

 ぼんやりした寝起きの頭に、昨晩の行為の事が徐々に蘇る。

 狭間にはまだ何かを突っ込まれているような違和感があるし、無茶をされた躰の節々が痛む。この週末は使い物にならないな、とため息を吐く。

 そっと見上げると、ジャレッドは人にあれだけのことをしておきながら、気持ち良さそうな顔で熟睡しているようだった。この野郎め、と思いながらも、どうしても憎めない。

 ムカついて手を伸ばし、鼻を摘まんでやると、んー…と苦しそうにもがいている。おかしくなって離す前に、うととした顔でジャレッドは目を開けた。

「あ…オハヨ、ジェン…」

 開けるなり頬を擦り寄せてくる。身を竦めて受け入れると、そのまままた寝息を立て始めた。

「ジャレッド…?」

「ん…ゴメン、もうちょっと……すぐ起きて、ブラン、チ…」

 言いながら、すう、と呼吸が寝息に変わる。コドモのような寝顔に苦笑が漏れる。

 やれやれ、と思いながらもジェンセン自身もまだ眠たい。

 目を閉じて頭を預ければ、すぐに同じ睡魔に呑み込まれた。






 次に目を覚ました時には、隣には誰もいなかった。

 あれ、と思い窓を見ると、カーテン越しの外はもう随分と明るい。何時なんだろうと思いながらうとうとしていると、しばらくして頬に口付られる気配で目を開けた。

「おはよう、ジェンセン」

 にっこりと笑って覗き込むジャレッドは、シャワーを浴びたのか、髪が僅かに濡れ、腰にタオルを巻いている。あぁ、と頷くと、もう一度頬にちゅっと口付られる。

 大丈夫?と聞かれて軽く睨むと肩を竦めて慌てて立ち上がる。窓際に回ったジャレッドがカーテンを開けると、部屋には一気に明るい日差しが差し込んだ。

 まぶしさに目を細めていると、クローゼットの前に立ったジャレッドはタオルを取り払い、黒いボクサーパンツを身に着けると、長い足に合うジーンズを履いている。

 鍛え上げられた躰が無造作に着替えていく様を見ていると、馬鹿みたいにどきどきした。

 シーツにくるまったまま、誤魔化すように目を背けると、「着替え、ここ置いとくね」大きいかもしれないけど、と言われて顔を向ける。「あぁ、悪い…」といいながらもぞもぞと起き上がると、シャツまで着て腕まくりをしたジャレッドが笑顔でベッドに腰掛けてくる。

「何が食べたい?ジェンの好きなもの、なんでもつくるよ?」

「…何でも?」

「うん!」

 そう言われてジェンセンが悩んでいると、額にちゅっとくちびるを付けられて赤面する。なんだかやけに甘ったるい。昨日はあんなに乱暴だったくせに、と思いながらもじもじしていると、うーんと悩んでジャレッドは口を開いた。

「じゃあさ、フレンチトーストはどう?メープルシロップをいっぱいかけて、フルーツと生クリームもつけるよ。この部屋、ベランダが結構広いんだ。天気もいいし、そこでコーヒー淹れてブランチにしない?」
 そう言われて、「…いいな、それ」と思わず頬が緩む。

 想像しただけで美味そうで、それがいいと言おうとすると、頭をそっと抱え込まれてちゅっと口付けられた。

 匂いを嗅ぐように髪に鼻先を押し付けられ、「シャワー浴びて、準備出来たらおいでよ」と頭を撫でられ、もう一度おまけのようにくちびるにキスをしてからジャレッドは部屋を出て行った。
 





 初秋を迎えたバンクーバーの空は高く澄み、暑くも寒くも無く心地いい。

 ビルの間に垣間見えるハーバーの向こうに浮かぶ水平線には、ホイップのような真白い雲が覗いている。極上のピクニック日和だった。

 白い洗い晒しのシャツにブルーのジーンズを合わせたラフな格好で、次々ブランチの準備をして行くジャレッドは清潔感溢れる好青年にしか見えない。

 青空を背ににっこりと清々しい笑顔を浮かべる様子は歯磨き粉のCMに出られそうだ。

 こうしてみていると、昨晩ジェンセンにあんなにいやらしい事をして泣かせた猛獣と同一人物とはとても思えない。

 シャツの下にあんなにまで鍛え上げた肉体美を隠しているとも、とても。ジキルとハイド程ではないかもしれないが、ここまでくれば立派な二重人格だと内心でジェンセンは軽く呆れた。

 そして、もしここであの白いシャツの前を肌蹴られて逞しい胸元を見せつけられて迫られたら、もう一度ここでファックすることも許してしまいそうな自分が一番の二重人格かもしれないと自嘲的に思う。
 結局、多分自分は、かなりこの歯科医の事が好きなのだろうな、と認めざるを得なくなった。



 ジャレッドのフレンチトーストは絶品だった。

「お前、マジで店開けよ…」

 半ば呆れながら言うと、「おほめに預かりまして」と肩を竦めている。冗談じゃないのに、と思いながら、生クリームを乗せて名残惜しく最後のひとかけらを口に運ぶ。

 どうやったらこんなにふわふわの焼き具合にできるのだろうと思いながら、躰だけでなく舌でまで懐柔されている単純な自分が憎いとジェンセンは思った。

 コーヒーのお代わりを注いでくれながら、あ、と言うとジャレッドは部屋の中から何かを持って出てきた。

「忘れてた、これスウェーデンのおみやげ」
と、二本セットのワインの箱を差し出す。

「え、…おまえ行ったのか?!」と驚くと、首をかしげて頷く。

「うん、今回発表は無かったんだけど、いちおう顔だけは出さないとまずくて」

「でも、だったら、週末いっぱい行ってるんじゃなかったのかよ」

「えっと…学会だけ顔出して、最後の便で帰ってきちゃったんだ。だからあんまり寝てなくて…」

「だって、スウェーデンって、直行便はないだろ?」

「うん、北欧はカナダから行くのは本当に不便なんだよね。木曜日に出て、ダラスとヒューストンで乗り継いで、金曜日に着いた。片道、丸一日かかるからさ。

 それで、その日の午後学会に出て、夜の便でコペンハーゲンに行って一泊して、土曜の朝一番の便でダラスに飛んで、そこから今日バンクーバーに戻って来たんだ。だから、部屋に戻ったのはジェンセンが来る一時間前でさ。慌ててシャワー浴びて部屋片付けたんだけど、ごちゃごちゃしてて…。

でも、乗り継ぎが一本でも遅れてたら土曜日中に戻れなかったから、スムーズに乗れて良かったよ」

驚いた顔をしているジェンセンに、慌てたようにジャレッドは言う。

「あ、研修は優秀なコリンズ先生に最新のビデオカメラ買ってもたせて任したから大丈夫!どのみち、誰が行ってもいい話だったし、僕が行って集中できないままとんぼ返りするよりも、真面目に聞いてくれる人に行ってもらった方が有益だっていう院長判断だよ」

 うんうん、と自分で頷いているジャレッドに、ジェンセンは心底呆れて目を瞬かせる。

―まさか、と思う。

 まさか、こいつはおれとセックスをする為に、研修をほっぽらかして一泊三日ほぼ日帰り北欧などというとんでもない暴挙にでたというのだろうか。

 訝しげに睨んでいると、その視線に気付いたのか、居た堪れなさそうにジャレッドは身を竦めた。

「…呆れてる?あー言わなくていいよ、僕も相当馬鹿だと思ってるんだから。でも、ジェンセンが来てくれるって約束してくれたのに、呑気に研修受けてるなんてそれこそバカみたいだと思ったんだ」

 身を伸ばし、額を擦り合わせる様にして甘えながら、ジャレッドは囁くように言う。

「飛行機の中でも、ホテルでも、ずーっとジェンセンのこと考えてた。ちゃんと寝てるかな、とか、仕事うまくいってるかな、とか。

…早く会いたくて、気が狂いそうだったんだ」

 ため息のように言われて、ふるっとジェンセンの躰は震える。それに気付いたのか気付かないのか、耳元に囁く様にしてジャレッドは呟く。

「研修はほかの人が受けたってかまいやしないけど、ジェンセンの休日を他の人に譲ることは絶対に出来ないから」

 そこまで言われてジェンセンは突っ込む事も出来ずに固まる。

「おまえってなんか…」

 何をどう言っていいのかわからない。諭すべきなのか、それとも笑い飛ばすべきところなのか。

 困ったような顔で口ごもるジェンセンの顔を、ジャレッドは覗き込む。

「…いやだった?」

「どうかな…」

 聞かれて、ジェンセンは表情を見られない様に顔を背けた。

「もしかして…うれしかった?」

図星を突かれてジェンセンの頬は、カッと赤くなった。

「う、わッ!」

 唐突にジャレッドに椅子を引っ張られ、膝の上に抱え上げられる。

 背後から抱き締められ、耳元に鼻先を埋める様にして口付けながら彼は言った。

「ジェンセン…大好きだ…もうおかしいくらい君に夢中だよ。

 ジェンは?僕のこと、好き?」

「…べつに、嫌いじゃない」と身を捩りながらジェンセンは応える。

「なんだよそれ」と鷹揚にジャレッドは苦笑する。

「どうしてちゃんと好きっていってくれないの?」と聞かれて、「別に、いいだろそんなの、」とそっぽを向く。

 好きじゃない相手と夜を共にした上に、こんなふうに心を許した時間を過ごす筈も無い。

 それがわかっているのか、「まあいいや」と言うと、ジャレッドはぎゅっとジェンセンを抱き締めてきた。甘い抱擁を許容していると、次第に抱き締める腕は深くなる。

 後ろから大事なぬいぐるみのように抱き込まれ、ゆっくり揺らされていると、背後から伝わる温もりに、言いようのないむずむずとした気持ちが腹の底から湧きあがってきてジェンセンは混乱する。

 時折耳朶を食んだり、こめかみに口付けたりされるのが、やめてほしいのかもっとしてほしいのかわからない。


 ジャレッドから借りたぶかぶかのチェックのシャツに包まれ、その持ち主に更に抱き締められていると、何処も彼処もジャレッドの香りがしてくらくらする。なのに、膝の上から降りると言えず、ジェンセンはされるがままになっている自分がよくわからなかった。

 結局、ベランダでくっついているうちに離れられなくなり、リビングのソファで二人はもう一度抱き合った。

 そして結局次の日まで帰れなくなり、ジャレッドのシャツを借りて慌てて職場へ直行する羽目になるとは、今のジェンセンはまだ知らずにいた。











(一部抜粋)







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※本文はこれ以上にJaさんがネットリ甘々で、Jeさんはどこの処女かっちゅーくらいヲトメです。今までに出した本の中でも際立ってネットリ感が強いです。叩いたり縛ったりは、ないのですけども、そういうの以上になんといいますかJaさんがすっごく強烈にヘンタイぽいので、ここまで読んでダメそうな方はどうか本当にご注意くださいませね。
読んでいただいた後の苦情はお互いにかなしいですので(>_<)こんなでもぜんぜnだいじょうぶ!読んであげても良くってよ★と思える豪気で大人な心の広い腐女子魂を持った方だけ、ご覧頂けると嬉しいです。説明文までねっとりですいませ…あわわ(滝汗