横浜赤レンガ倉庫が廃墟だった頃1986年
つぐまるの廃墟アワーにもどる

1号倉庫:屋根に風見鶏のようなものが
付いていた。倉庫なのにおしゃれだ。

2号倉庫:1号倉庫より大きく壮観だ。

横浜赤レンガ倉庫は、みなとみらい21中央地区と中華街・山下地区とのちょうど中間
ぐらいのところにあった。(もちろん今もある。)廃墟的歴史建造物だと聞いていた
世話人は1986年の夏にここを訪ねた。横浜の駅から歩いていける。

赤レンガ倉庫は廃墟と呼ぶには失礼なくらいきれいだ。大概の廃墟はゴミや何やかやで
見るも無残な状態になってしまう。よく管理された廃墟?という感じだ。
さすがに倉庫の中には入れない。いつもはどさくさにまぎれて入っちゃうんだけれど、
そんなことは受け付けない整然さがある。やはり老舗の倉庫だけはある。

赤レンガ倉庫は現存するレンガ造り倉庫としては歴史的建造物だ。建設されたのは、
明治の末頃からだからレンガの積み方もイギリス積だ。猿島なんかのフランス積より歴史は
若干浅い。震災の影響を受けたとはいえ保存状態はいい。
物流拠点が他の地区に移っていった関係で、この倉庫も長い間使用されていない。
しかし、その割には今までよく維持されてきた。

倉庫は1号、2号倉庫と2棟あり、貨物用線路が引き込まれていた。
1985年当時は既に廻りがアスファルトで舗装されていたが、その引き込み線のレールが
途中まで舗装されて埋められて、いわゆるトマソン状態
(注)になっていたのが
印象的であった。

(注)トマソンとは無用の長物をさす路上観察用語である。例えば何かの都合で建物の扉を壁で塞いだ時に、
それに関連する階段や庇をそのまま残した場合、それらは全く役に立たない無用の長物と化してしまう。
この状態や残った物を指してトマソンという。語源はかつてジャイアンツに在籍してバットをブンブン振り回して
三振していたトマソンからきていると言われている。1980年代に路上観察学で流行った言葉。

 
      

.          例のトマソン状態だ      プラットフォームの廊下はゴミ一つ落ちていない

      
 
廊下廻りのスチールフレーム        倉庫でも装飾的に扱っている 

      
. レンガ造の重厚さがにじみでた壁面       窓廻りも凝っていた      

横浜市はこの赤レンガ倉庫を、歴史的資産として保存し、市民施設として活用しようと、
平成4年に国から買取って補強工事を行い、平成14年 4月に
『港の賑わいと文化を創造する空間』を基本コンセプトとした施設をオープンした。

詳細については赤レンガ倉庫のホームページをご覧下さい

http://www.yokohama-akarenga.jp/

確かにこうやって地域活性化に役立てるのはとっても良い事なんだろうけど、
世話人個人としては廃墟は廃墟的保存(なぁーんも役に立てない)の方が望ましい。