つぐまるの廃墟アワーにもどる 友ヶ島要塞研究にもどる
この友ヶ島の一般概要は、あくまでもその時点の参考にすぎません。
実際に島へ行く場合は、他のサイトもしくは関係交通機関等に確認するようにしてください。
注)友ヶ島汽船は平成22年11月1日 〜 平成23年2月28日まで桟橋工事(加太港)により運休の予定です。
工事の進捗状況により、3月に入っても運休となる場合があるようです。
確かに加太港の桟橋は中央部が陥没し、かなりキテいる状態ではあります。
友ヶ島の一般概要 Last update on 2010/11 ● 位 置 友ヶ島(ともがしま)は、行政的に和歌山県和歌山市加太(かだ)に所属し、大阪湾と紀伊水道を分ける紀淡海峡(友ヶ島水道)の 中心部にあるに浮かぶ無人島群で地ノ島、神島、沖ノ島、虎島の4島で構成されています。瀬戸内海国立公園の一部でもあります。 虎島と沖ノ島北東部は満潮時には2島に別れ、干潮時には一体化する陸繋島です。 沖ノ島の西端部は日本標準時子午線の東経135度線上にあり、 その西の由良瀬戸といわれる淡路島間は、瀬戸内、大阪湾北東部への重要航路となっています。 |
標高最高地点(第3砲台付近)から見通す。 |
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[以前の島のパンフレット] A4二つ折りで あっさりとしたものだった。 島のキャッチコピーもシンプルに 「フレンドリーアイランド」だった。 もう友ヶ島そのままや! |
[最近の島のパンフレット] 五つ折りのコンパクトサイズになったが、 内容は充実していて、 最近の力の入れ具合が伝わる。 島のキャッチコピーも 「ノスタルジック&ミステリアスアイランド」 となり、こちらも進化だ。 |
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この島の案内図は和歌山市観光課のパンフレットから転載しています。 |
● 歴 史 今から1300年以上前に友ヶ島の虎島に行場が開かれ、以来修験の地でありました。 山伏修行では、これらの行場へ行って修業が行なわれていました。 虎島の岩壁に藩の蘭学者、李 梅渓による「五所の額」という修験道における5つの「行場」を書いた文字が彫られています。 現在もその跡が残っており、虎島の横を通過した時に船上よりこの岩壁に刻まれた「五所の額」が確認出来ます。 明治以降、外国艦隊からの大阪湾防衛のため、旧日本軍により沖ノ島及び虎島に砲台とその付属施設が設置されました。 この近辺は、和歌山県西部、淡路島南東部と連携し、当時の要塞地帯法で要塞の一つ「由良要塞」として制定され、 その要塞地帯法により第二次世界大戦終戦まで一般人の立入は禁止となり、地図上にも記載されませんでした。(そこだけ白紙のまま) 第二次世界大戦の頃のような近代戦では航空戦主体となり、対艦船用の海上及び沿岸砲台は実用に適さず、 この友ヶ島の砲台も明治期に建設された全国の多くの砲台と同様に大正期に廃止されたり、まったく使用され無いままに終戦を迎えました。 戦後は瀬戸内海国立公園に指定され、南海電鉄グループなどにより観光地化が推進され、 一時期はレジャースポットとしての賑わいをみせましたが、しだいに衰退していきました。 その後第3砲台が2003年に土木学会選奨土木遺産に選ばれ、映画やテレビなどのロケ地として使用されたりすることもあり、 島内もここ1,2年で急速に整備されることとなって、またまた注目を浴びてきつつあります。 地ノ島、沖ノ島を横断する形で和歌山、淡路島を結ぶ紀淡連絡道路の計画がありますが、まだ構想段階のようです。 こんな計画はやめてほしいものです。 |
友ヶ島(沖ノ島)野奈浦桟橋 乗船券 |
● ア ク セ ス 大阪からの場合、難波から南海電車で和歌山市駅(特急で約1時間)、 そこから加太線に乗り換えて終点の加太駅(約30分)まで行きます。交通費は1千円弱です。 加太駅から加太港まで歩いて15分程度です。 住宅地を抜けて川沿いに歩けば比較的まっすぐにいけますが、わかりやすい道とはいえません。 駅から坂道を降りたところに観光の案内所がありますのでそこで地図を受け取って、 簡単な説明を受ければ大丈夫です。 ハイシーズン時にこの駅の利用客は、ほとんど友ヶ島に向かうので、 流れについて行っても問題ないでしょう。 加太港から友ヶ島汽船(株)の連絡船に乗船します。船ですので、天気が良くても 風や波の高さで欠航になる場合もあります。微妙な時は確認するほうがよいでしょう。 乗船時間は沖ノ島の野奈浦桟橋まで15〜20分ぐらいで、往復2千円です。 運行時刻は、冬場とそれ以外、GW、夏休み等のハイシーズンで季節によって変わります。 予め確認が必要です。 また乗船定員100人強程度の船によるピストン運航のため、 ハイシーズンでは最終便に乗客が全員乗船できないという事態が発生します。 その場合は臨時便が出るので帰れないということはありませんが、帰宅時間に大きく影響するので、 早めに桟橋に戻って並ぶ必要があります。 世話人もその事態に遭遇して肝をつぶしたことがありますが、出船時間に桟橋に戻っていれば、 必ず連れて帰ってはくれます。 |
海沿いの道 山道 鳥獣保護の看板 航空保安無線施設 |
● 島 内(沖ノ島)の 状 況 レジャー: 一頃よりはさびれたとはいえ、戦後は観光地として開発されているところなので ハイキング、磯遊び、釣り、キャンプ(届出必用)などのリクリエーション、 自然観察が満喫できます。 トイレ: 野奈浦桟橋に一つはあります。その他2ヶ所ほど配置されているようですが、 桟橋で下船した時にすませておくのが良いでしょう。 水: 飲料水は基本的にありません。旧軍時代の井戸は島内に多数ありますが、使用は危険です。 不測の事態に備えて、ペットボトルの水ぐらいは、携帯しましょう。 宿泊及び利便施設: 野奈浦桟橋に一つはありますが、他にも島内に2件あるようです。営業時期などは確認が必要です。 コンビニはありませんが、自販機は桟橋付近のみにあります。 道: かつての軍道であったためか、比較的巾もあり崖に面したところでも不安は感じませんが、 もちろん舗装されていないし、大きな石がゴロゴロというところもありますので、 最低でもスニーカーぐらいでないと危ないです。 しかし、比較的整備されている第3砲台で、ハイヒールの人やベビーカーを見かけたことがあります。 ここ2年くらいで誘導サインなどの案内板は、極めてよく整備されています。 動・植物など: 孔雀、鹿、台湾リス、猿が放たれて野生化しています。 孔雀は野奈浦桟橋近辺にいて観光客の相手をしているもようです。 鹿は道の脇の崖などから急に駆け下りてきて目の前を横切られたりすると恐怖を感じます。 数え切れないくらいの台湾リスが、まわりの樹木を一斉に駆け上がっていかれると、 これまたゾッとします。 猿は見たことはありません。蛇やマムシもいますので注意が必要です。 要塞などの地下構築物内は、大型のクモやカマドウマ、その他名前のわからない虫類が多数います。 狭いところなので至近距離で彼らに遭遇することになります。 苦手な人はパニックになるので危険です。 とくに彼らは地下室の入り口近辺の天井にへばりついているので、部屋に入った後で気がついて 出るに出れなくなるということにならないように気をつけましょう。 植物は幕末・明治初期に樹木が濫伐されて、裸同然の島になっていたようですが、 軍の要塞建設後は伐木は禁止されました。(そりゃそうだろう) 今から50年ぐらい前の資料では、87科307種を超える植物が茂っているので、 現在は植物園状態のすごいことになっているようです。 携帯電話: ドコモ、ソフトバンク通話可能確認済です。 その他の施設: 135度子午線近くでは、明治5年完成(日本で8番目の洋風建築灯台)の友ヶ島灯台が 現在も稼動中です。 飛行機の運航ルート上となっているので、航空保安無線施設が第3砲台近くに設置されています。 島内では、ゴミを捨てたり、要塞の遺構に落書きしたり、動植物を傷つけたりしないでくださいね。 |
参考資料:
和歌山市観光課パンフレット
『由良要塞』 近代築城遺跡研究会編
『明治期国土防衛史』 原 剛
『日本築城史−近代の沿岸築城と要塞』 浄法寺朝美