ハーモニカコンサート出演顛末記 2001 
つぐまるのハモニカ横丁へもどる

 緊張してステージで固まる世話人

  
(1999年の初出演の時)
   
*2001年もだいたい似たようなもんです!

  は じ め に

崎元 譲と仲間たちによるクロマチックハーモニカコンサートVol.4が、5月に
門仲天井ホールで行われました。年に1回、世界的ハーモニカのソリストである崎元先生
のところで習っている人たちが、ピアノで伴奏してもらってソロで吹けるという
上手な人にとっては楽しみな、そうでない人にはヒヤヒヤの企画であります。
ハーモニカを習い始めて4年目に突入、継続はちからなりを座右の銘に励んできた
世話人は3回目の出演であります。
昨年に引き続き、以下その選曲から本番までの世話人の苦悩と葛藤の顛末記でございます。

 今 年 の 選 曲

とにかく今年は‘星もの’がやりたかった。星ものというのはディズニーの‘星に願いを’
とか、‘スターダスト’とか荒木一郎の‘空に星があるように’(知ってるかなぁー?)
みたいな星がタイトルになっている曲のことだ。そうゆうのを世話人は勝手に
‘星もの’と呼んでいる。

昨年はアップテンポの曲でコケてしまったので、今年は星ものでしかもゆったりバラードの
スターダストでいこうと考えた。ジャズスタンダードとしても名高いこの曲をいっちょ格調
高く吹き上げてみようと性懲りもなく思ったのだ。

しかし、諸事情があって教室をしばらく休んでいる間にスターダストをやるという人が出て
きてしまっていた。早いもの勝ちである。世話人はあせった。じゃぁースターダストがだめ
なら星もの二番手の‘星に願いを’にしよう。が!それもやる人がいるらしい。
今年は星ものがはやっているのだろうか?世話人はますますあせった。とりあえず先生には
次回まで選曲を待っていただいた。でももう2ヶ月もない!昨年は3ヶ月以上余裕が
あったにもかかわらずあんな按配になってしまった。このまま星ものにこだわって荒木一郎
というのもかなりアブナイものがある。どうしようぉー!!

しかしそこで世話人はハタと思った。世話人は一応‘自称’ボサノバ評論家である。
といろんなところでふいている。ふつう評論家というのは自分ではやらないのだけれど、
世話人はあまりそんなことは気にしない。それどころかいずれCDでも作ってみたいと
恐ろしいことを考えているくらいだ。

よぉーし!時期尚早かもしれんが今年はいっちょボサノバをやったるか!!
しかしまてよぉー本当に大丈夫か?けっこうむずかしいぞ!
適当なリズムを勝手にとって伴奏とあわんかったら恥ずかしいぞぉー!
その上得意のミストーン連発したら目もあてられんぞぉー!
まったくセンスのないやっちゃと聞いている人に思われるぞぉーと
ネガティヴなイメージが頭の中をめぐっていく。うぅーんヘタすると一人相撲になるな!

それにどの曲を吹こうというのだ。1曲を淡々と吹いてもきっとつまらないだろうし、
だからといってアドリブをガンガンかます実力などあるわけない。やはりボサノバといって
もどの曲にしぼるかが問題だ。それにしぼった1曲をまた誰かがやることになっていたら
もう先がない。

そこで世話人は曲をしぼらずに無い知恵をしぼった。どうせ1曲にしぼれないのなら
3曲ぐらいのおいしいところだけをつなげて1曲にしたらどうだろう?なんといい考えだ。
これだったらもし誰かと曲が重なったとしても薄まるし、アドリブなんかなくっても
3曲分も煮つめておけば飽きもこないし、それなりに聞こえるだろう。

すっばらしい!!!世話人は自分の考えを絶賛した。さっそくはじめの音と
終わりの音が合いそうなヤツをピックアップしてつなげてみた。
’サマーサンバ’、’イパネマの娘’、’おいしい水’がいけそうだ。すごいぞ!!!
ボサノバの名曲で5本の指に入るヤツが3本も取れた。世話人は早速コンビニに走って、
譜面のコピーをとり、のりとカッターで切り貼りをしてとりあえず一つの曲にしてみた。
だけどなぁー、なぁーんか不安が残るなぁー・・

( 教 室 で )

「この3曲をですね、つなげてみるとですね、ちょうど2分30秒ぐらいになるんですよ!」
崎元先生にとんちんかんな説明をする世話人。
「うーん、時間は別にいいんですけどね、つながりますか?」当然の心配をされる先生。
「ふぅーん」きちんと返事ができない世話人。
とりあえず吹いてみる世話人。見かねて(聴きかねて?)いっしょに吹いてくれる先生。
途中で「ここからどこにいくの?」と聞く先生。
「こっからここですぅー。」なんて答えながら必死で先生についていく世話人。
でもなんか勇気が湧いてきたぞ。いけそうな気がしてきたぞ!

こんな按配で、今年は怪しいボサノバメドレーをやることになった。

 リ ハ ー サ ル

リハーサルは例年どおり2回ある。5月の連休中と本番前日だ。

リハーサルの出来不出来がおよぼす影響の大きさは言うまでもない。昨年も思ったこと
だけど、リハーサルでうまくいきすぎてあまり運を使い果たしたくはない。
世話人の演奏レベルはもちろん低いわけだが、低いは低いなりにその出来不出来にも
バラツキがある。

たとえば間違ってもホームランを打てないバッターだから絶対ホームランはでないのだ
けれど、出したバットに当たった球が相手のエラーを誘ってなんとなく内野安打みたいに
なるか、そのままアウトになるかは実力の問題ではなく確率の問題ということだ。

したがって世話人の演奏成功確率が仮に50%ぐらいとしたら、2回のリハーサルが
うまく出来てしまうと次の本番はまず失敗するだろうということだ。
なんてったって確率の問題だから・ ・
ではリハーサルを2回失敗すると次の本番は必ず成功するかというとそうではない。
2回失敗したダメージで激しく動揺して本番も見事にくずれてしまうというのが、
世話人の過去2年間のパターンであった。

それに今回は3つの曲をムリムリつなげてしまったのでどうしてもつながりの
部分が心配だ。一人でやっている時は自由につなげて吹いているわけだからまったく
気にならないのだけれども、これをピアノといっしょにやるとなると話しは別だ。
重大な問題となる。

(リハーサル1回目)

世話人の懸念はものの見事に的中した。サマーサンバからイパネマの娘にいくところが
まったくつながらない。サンバを踊り狂っていたイパネマの娘がそのまま倒れこんで
のたうちまわっている感じだ。世話人はあせった!あせりまくった!

崎元先生はその部分を「もう一度やってみよう」と何度も丁寧にやりなおしてくれたので、
つながらずに離れていたのがだんだんつながってきた。少し世話人も落ち着いてきたが
またも先に不安を残すことになった。

(リハーサル2回目)

ピアノの菅田先生とはよく打ち合わせしたので、世話人さえ間違えなければ問題ないのだが
やはり前回曲がつながっていかなかったところが気にかかる。

今日失敗するともう後がないぞと頭の中でもう一人の自分がささやく。
そのささやきを聞いているうちにしょっぱなから音を間違えまくってしまった。
いきなりやってもーたぁーである。得意のミストーンである。
世話人は体勢を整えようと必死になった。

必死になっているうちに例の曲のつながり部分はいつのまにか過ぎていってしまった。
ん?一応はつながったようだ。しかし演奏自体のヨロメキ状態からは脱却できず、
なんとか冷静に対応しようと思ったときはすでに曲はおわっていた。

やっぱり明日はイチかバチかの勝負だと世話人は思った

 い よ い よ 当 日

それにしても今年のコンサートは例年に比べてだがいまひとつ緊張感がない。もう一発勝負の
運まかせにするしかないというのが過去2回で身にしみているのかもしれない。
いい意味での気負いがなくなったの幸いだが・ ・
だいたい演奏前のお昼ゴハンなんか緊張でのどを通らなかったが、今回はバーミヤンの
天津飯が自分の天津飯のイメージと違うといって騒いでいたぐらい集中していなかった。
(イメージと違ったがそれはそれでおいしかった!)

しかし、楽屋の通路で待つ段になるとさすがに緊張してくる。
得意の意味不明の言動がでそうでコワイ!
誰かが死刑台に上る順番を待っているようだと形容し、みんな顔をひきつらせながら笑った。
いつも思うのだけれども、なんで自分は好きなことをやっているはずなのに
こんな按配になるのだろう?もっと気楽にできんものか?

いよいよ世話人の出番である。緊張のあまり譜面を持っていくのを忘れたり、おじぎをするのを
忘れたりしないように手順の最終チェックをする。もちろんズボンのチャックが開いていないか
などは昨年に引き続き重要チェック事項だ。

崎元先生は出ていく一人一人に声をかけて励まし、帰ってくる一人一人に
とてもよかったですよとねぎらってくれる。たいへんなことである!
そして世話人も励まされてステージに向かった。

うわぁっ!明るい!まぶしい!もうのどがカラカラになってきた。なんだかボーッとしてきた。
逃げ出したくなったがあきらめてピアノの菅田先生にサインを送る。演奏がはじまった。
出だしは思いのほかうまくすべりだせた。よしとりあえずはいいぞっ!
とにかく出だしが肝心だ。ここでいつものやってもーたぁーがでるとすべてブチ壊しだ!
問題は残りのいくつかの難関をどの程度のダメージできり抜けられるかにかかる。

舞上がりながらも世話人は途中でハタと気づいた。最前列に体の大きい人が座っていた。
それがもうビックリするぐらいノリのいい人で、体全体でリズムをとってくれるのだ。
譜面台の向こうで大きな影がゆれ、最前列全体がノッてリズムをとってくれているような
錯覚をおこす。すごくやりやすい!
こうゆう支援があるとこんなにやりやすくなるとは思わなかった。

ピアノの菅田先生もノッている感じだ。リハーサルの時にはなかった球を投げてくる。
うわぁっ!これがきたかぁー!世話人も必死で吹く。緊張で頭ん中が真っ白になっているけど
なんか調子よくなってきた。まわりがグッとあと押しをしてくれている感じだ。

かなり息切れしてきたが、難関のサマーサンバ、イパネマの娘を乗りこえて、おいしい水まで
たどりついた。おいしい水は音数が少ないのでミストーンの危険性は低い。峠は越えた。
あとはヘンなことを考えなければ大丈夫だ!
最前列の人は相変わらず体全体でリズムをとってくれている。もう足踏みもしてくれそうな
感じだ。エラいっ!そして世話人のパワーがちょうど切れたところで演奏が終わった。

緊張がとけて、しばらくはハイになっていた。
ビールがうまい!結局、この瞬間があるからどんな思いをしてもやめられないのだ!

 

 そ し て 反 省

世話人は思った。やっぱりノリのいい曲にかぎる!ノリのいい曲にしておけば
多少ハーモニカでヘタ打ってもピアノの圧倒的なカバーがあるからそれに期待できる。
ノリのいい曲だと観客もノル、観客がノレば世話人もカン違いして気分がよくなる。
思いきりがよくなる。思いきりがよくなれば、しくじっても後悔しない。
スカッとする!後味わるくない!ビールもうまい!これだぁー!

世話人の過去二回の選曲はこの点失敗であった。もともとそんなにノリのよくない曲を
世話人がもっとノリを悪くしてしまった。パンクしている自転車を直そうとして
サドルまでコワしてしまった感じであった。

しかし、今回ハデなミスがなかったにしてもそれは世話人の実力ではない。
たまたま運がよかったのだ。
例の確率の問題とその場の環境のよさがその成功率を押し上げてくれたにすぎない!
直前まで大くずれする可能性と紙一重の状態だったからだ。

今年の反省!

昨年の反省はつぎの三点であった。
1、何事も基本は大事である。基礎をおろそかにしてはいけない。
2、継続はちからなり。
3、とにかく場数を踏みましょう。

ハーモニカは大好きだからやめろって言われてもきっとどっかでこっそり吹くに
違いない。だから継続していくのは間違いないのだけれど、基本の重要性と場数を踏む
点についてはぜんぜん進歩がない。よし今年もこれでいこう!
切磋琢磨して来年はラテンもののメドレーでもやろう!

 最 後 に

崎元先生、ピアノの菅田先生、励ましてくださいました教室の皆さん
そして最前列でリズムを取ってノッてくださった方

どうもありがとうございました。また来年もよろしくお願いします。