ハーモニカコンサート出演顛末記
つぐまるのハモニカ横丁へもどる

 本番演奏中の世話人(緊張でもう失神寸前)

  

はじめに


崎元 譲と仲間たちによるクロマチックハーモニカコンサートVol.3が、先月門仲天井ホールで
行われました。年に1回、世界的ハーモニカのソリストである崎元先生のところで習っている
人たちが、ピアノで伴奏してもらってソロで吹けるという上手な人にとってはオイシイ、
そうでない人には修羅場になりかねない企画であります。
ハーモニカを習い始めて3年目、恐れを知らない世話人は2回目の出演となります。
以下その選曲から本番までの世話人の苦悩をあらわしたのがこの顛末記なのです。
大げさじゃぁー!

今年の選曲


昨年はバカラックのアルフィーというバラードの曲であった。息もたえだえのよたよた
バラードとなってしまった。バラードをゆったり聞かせる実力は未だについていない。
選曲にあたっては、今回はもっとテンポのよい曲でゴマかしてしまおう。
バラード系は出来るだけさけよう。と、そう考えた。
しかし、テンポのよい曲はちょっとコケるとそれが引き金となって空中分解しかねない。
それも恐い!やっぱりバラード系でいこうか。と、そうも考えた。

それでペールギュントの中の佳曲’ソルヴェ−グの歌’がよいのでは思ってハーモニカ教室
で吹いてみた。廻りの人もその選曲はなかなかいいと言ってくれるので心が動いたが、
ゆったりと聞かせる曲はやっぱり不得手だ。途中でコケてペールギュントは貞淑な妻
ソルヴェ−グのもとへ戻れなくなってしまうかもしれない。


なんやかんやで結局ハーモニカの名手シールマンスの’ブルーセット’というジャズ系の曲
にしてしまった。アップテンポでうまく決めればカッコイイし気持ちもいい!
それだけに危険をはらんだ曲でもあるのだが、その時は演奏会まで3ヶ月ぐらいあったし
何とかなるだろうと思ってしまったのだ。

4月になって


本番まであと1ヶ月とせまり、仕上がりの状況かんばしくなく世話人のこころはあせる
ばかりだ。曲のテンポも何故だか速くなってきて、ますます失敗の連続という状態に
やはり選曲を間違えたかという考えが頭をよぎる。
世話人(妻)は「だからそんな曲にしないほうがいいと思ったのにぃー」
とまったく最初の意見と違うことをサラッという。
(最初はその曲がいいと確かに言っていた)

とにかく崎元先生のご指導に頼るしかない。先生は教室で収拾がつかないほどテンポが
速くなっている世話人の演奏をとめて、そのテンポで大丈夫か?この先大変なことになるぞ
ということを世話人の舞い上がった気持ちを鎮めて傷つけないように言われた。
そして一言「もっと成功の確率を上げることを考えましょう。」

できるだけテンポを落とすことにした。しかしテンポを落とせば演奏する時間が長くなる。
(あたりまえだが・・)これはこれで負担である。1秒でも速く終わりにしたい。
精神的にも体力的にも、また何にもまして息がもたん!

5月になって

本番までリハーサルは2回ある。リハーサルで失敗すると精神的ダメージは非常に大きい。
しかし、逆にうまくこなしすぎてリハーサルで運を使い果たしたくもない。
むずかしいところだ。


本番前日のリハーサルではピアノの伴奏より2小節早く世話人の演奏が終わってしまった。
世話人はその時ピアノの伴奏が終わったあともまだ吹いているのと、吹き終わったあともなぜか
ピアノの伴奏が残っているのとどちらがカッコ悪いだろうとモジモジしながら考えていた。
どちらもカッコ悪い!

ピアノの菅田先生とは見ている譜面がちがうのでそのずれは簡単に解決したが、
世話人の心には動揺が残った。大丈夫だろうか・・

いよいよ当日


朝から世話人の放つ緊張感で‘つぐまる’も石のように固まっていた。なんで自分は好きな
ことをやっているはずなのにこんなにストレスためているのだろう?あぁーこのまま失踪したい!
しかしこんなことで失踪してどうするのだ。もう本末転倒状態だ。

会場のホールでは今回は出演者が50名以上いるので控え室もいっぱいだ。
とりあえず出番まで近くの公園で練習することにする。ホームレスの人が迷惑そうにしていた。
しかし、あっという間に時間が来ていよいよ出番となってしまった。
うわぁーもうダメだ。緊張する。
それでも出る前にズボンのチャックがしまっているだろうかとかの確認をおろそかにしては
いけない。どんなに奇跡的に名演が出来たとしても
チャックが開いていたのではなんにもならない。


そして演奏がはじまった。恐れていた出だしの部分はうまくクリヤした。
最初のワンフレーズは何事もなく過ぎた。このままうまくいくかに思われた。
そしてくり返しにはいった矢先思いっきり違う音を吹いてしまった。
うわぁっ、やってもーたぁー、ここでやるとは思わんかった。
絶対やってはイカンところであった。だってテーマのところだもん。
激しく動揺した。このあと速いフレーズがあるので万全の体制を整えておかねばならない。
とてもムリだ。ムリだぁーと思っているうちにしどろもどろでなだれ込んでしまった。
そして曲なかばで力を使い果たしていることに気がついた。すでに唇が乾いてハーモニカに
貼りついている。もうダメだ、ダメだと頭の中が真っ白くなって、ミストーン連発している
うちに終わってしまった。
脱力感と開放感でしばらくはハイになっていた。

 

あとでビデオを見て


あとでビデオを見て笑ってしまった。こんなことをしていたのか・・

登場していきなりグッと左足を半歩前に出してハーモニカを上のほうへむけてかまえていた。
目はもうすでにイッテしまっている感じだ。緊張感がそのまま体ににあらわれていた。
いったいどうするつもりだったのだろう?ぜんぜん覚えていない。
その時見ていた世話人(妻)もずいぶんキッカイなポーズをするなぁと思ったそうだ。
その後は一点を見つめたまま硬直して、ロボットが吹いているようだった。

もう何度も見るには忍びないが来年への反省材料にしたい。

今回の教訓

1、何事も基本は大事である。基礎をおろそかにしてはいけない。

2、継続はちからなり。

3、とにかく場数を踏みましょう。

最後に

崎元先生、ピアノの菅田先生、そして精神的にささえてくださいました教室の皆さん

ありがとうございました。また来年もよろしくお願いします。