タルコフスキー関連本の簡単紹介
つぐまるの廃墟アワーにもどる



 

廃墟的映像、空間を研究する上で、タルコフスキーの映画を避けては通れない。

しかし!!

タルコフスキーの映画は難解だ!と世間一般ではそう言われている。本当にそう思う。

作品も少ないし、もう亡くなってしまったのでこれからの新作はもちろん望めない。
公開されたのは27年間で8本だけだ。それがまた難解度をアップしている。
映画の数が少ないわりには、その解説本や研究本は結構出版されている。

しかし、それらの本もまた映画同様難解なものも多い。
難解な映画を解説した難解な解説本を読むというのはもう本当に難解な状態に陥る。

それでもとりあえずタルコフスキー関連本の簡単紹介をしてみたい。
これらの本を読んでからタルコフスキー作品を見るか?
タルコフスキー作品を見てからこれらの本を読むか?
いずれにしても難解さにかわりはない。

 表紙                   内容とコメント                 ・

映像のポエジア  著:タルコフスキー キネマ旬報社 1988

評論家 鴻英良氏の訳。ちょっと詩的で難解だが、美しい本だ。
鴻英良氏はほとんどのタルコフスキー本の和訳、評論をしている。

タルコフスキー 若き日、亡命、そして死    著:馬場朝子編 発行:青土社 1997年

どちらかといえばタルコフスキーの伝記だ。作品の説明ではないのでわかりやすい。

タルコフスキー日記     著:タルコフスキー 発行:キネマ旬報社 1991

タルコフスキー自身の撮影日記だ。とにかくこだわっているなぁーという感じだ。

タルコフスキー日記 U     著:タルコフスキー 発行:キネマ旬報社 1993

タルコフスキー日記の読編だ。こんな物といっては失礼だが、よくこれの続編がでたなぁーという感じだ。
またこれを買う人がいるとは・・・ 世話人だが・・

タルコフスキーとルブリョフ     著:落合 東朗 論創社 1994

タルコフスキー作品の中の一つ「アンドレイ・ルブリョフ」について書かれたもの。
映画自体は3時間以上に及ぶ大作で最後まで続けて見るには体力と気力を要する。
世話人も実は何度も挫折して最後まで見ていない。解説本で内容を確認したほうが早いかも・・

    注:アンドレイ・ルブリョフは15世紀のイコン(聖画)画家、三位一体等の作品がある。

タルコフスキー、好き!  著:タルコフスキー他  発行:ダゲレオ出版 1987年

タルコフスキーの追悼版として増補している。
各界識者のコメントがありいろんな方向からの解説が楽しめる。
意外な人がタルコフスキー支持者なので驚かされる。

タルコフスキー     ミシェル・エスティヴ編 国文社 1991年

フランスの評論家がそれぞれタルコフスキーの作品について書いている。勿論和訳されている。
でもちょっと難しい。

タルコフスキーの世界   サンドレル編 キネマ旬報社 1995

旧ソビエトの識者が解説コメントしているちょっと大型本。サルトルのなんかもあったりして非常に難しい。
世話人程度の頭では理解不能。

タルコフスキー   著:タルコフスキー他 ペヨトル工房

ペヨトル工房らしい切り口での解説本、タルコフスキーはやっぱりサブカルチャーかというような気に
させられてしまう。

タルコフスキーatワーク  樋口 泰人編 白夜書房 1989年

シネアルバムの一つ、作品のスチール写真集がメイン、他の本より気楽に見られる。

ソラリスの陽のもとに    著:スタニスワフ・レム ハヤカワ文庫 1977

タルコフスキー作品の中で著名なものの一つ「惑星ソラリス」の原作スタニスワフ・レムは
ロシアのSF作家の大御所、原作もなかなかおもしろい。
普通、映画と原作は隔たりがあるのだけれど、これは結構原作に忠実だった。