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今回のお題
鯨の大和煮の缶詰



鯨はちょっぴりトール缶だ・・・
鯨の種類はツチクジラ、ゴンドウクジラということだ。



比較対照としての牛肉大和煮缶
     鯨が食卓で元気だった頃・・・

昭和30年代ぐらいまでに小学校の時期があった人たちにとって、
鯨肉というのは、あまりイイ印象はないかもしれない。鯨料理は学校給食での定番メニューだった。
いや給食に限らず、どこのご家庭の食卓にものぼったはずだ。それはとってもとっても固いお肉だった。
だからこの世代の人たちの大半は、鯨肉→固い→噛み切れない→おいしくない→イヤだ!
という図式が刷り込まれているようだ。

にもかかわらず、あんなに登場したのは、当時、他のお肉に比べて、鯨肉が廉価であったのと、
今ほど捕鯨に対してうるさくなかったからだろう。日本は捕鯨国の代表だったからね。
後年、鯨肉が貴重になってきて鯨料理専門店なんかで食べた鯨肉は・・・・
それはそれは柔らかくて美味しい物だった。
なんでこんな落差があるのだろう?なんか間違った食べ方でもしていたのだろうか?
鯨肉のトラウマがノスタルジーに変わっていくような気がしてきた。
もちろん、今でも鯨肉を食べようと思えば、ちょっと高いけどどこでも買って食べられる。
しかし、手軽に食べるとすれば、今回のお題である鯨の大和煮の缶詰だ。
じっくりと味わって鯨肉の良さを検証してみたい。


今回、シーフードではないが、牛肉の大和煮の缶詰とも比較することにした。
それにより鯨の良さをもっと客観的に検証できると判断したのだ。


鯨缶の中身  肉が黒っぽい・・・

まず鯨肉の方からいってみよう!
ん?固くない・・ぞ。だけどコレは予想していた通りだ。
缶詰系は圧力をかけているのか、調理の過程によるものかわからないけれど、
どんな素材でも大概柔らかいというかモロくなっている。
ものによっては素材の原形を維持するのに逆に苦労するぐらいではなかろうか?
この鯨肉もサクサクと噛み切れてしまって、アノ記憶にある赤身ばっかりの
スジ張ったところは、
全て飛んでいってしまっている。
目隠しをしてコレを食べたとしても、鯨肉とは想像もつかないだろう。
味の方はどうだ?コレも予想した通りだ。なにがなんだかわからない。
パサパサしていて奥のほうに鯨の味が微かに残っているという感じだ。
そもそも大和煮みたいな甘辛系の缶詰類は素材の味を塗りつぶしてしまうというか
何というか・・・どれもこれも同じ味にしてしまう傾向がある。
その上歯ごたえみたいなものまで無くなってしまったら、
もう何を食べてもいっしょだということになる。

この点については、この手の缶詰類に対しては幾度も指摘をした。
もう中身より味付の勝負だ!ということだ。


牛缶の中身  肉は赤っぽい・・・。

牛肉の方をいってみよう!こちらは、老舗の明治屋製品だ。安心感がある。
食べてみる。ん〜・・・。絶対こっちの方が美味しいな。
何か分離していないコンビーフを食べているような味だ。(牛だから当たり前か・・・)
見た目は鯨肉とそんなに変わらないのに脂肪分があるなしで随分と差がでてしまったようだ。
やっぱり鯨みたいに赤身だけではなぁ〜・・・アカンのかな?



結局、鯨肉の良さを検証しようとして、検証できたのかどうかさっぱりわからん結果となってしまった。
やはり、鯨肉に対してネガティヴな心象が強いのかもしれん・・。

今回は、特に牛肉の大和煮の缶詰もいっしょに開けて食べたのが、裏目に出てしまった。
別に鯨と牛の食べ比べをしようとしたわけではないが・・・・
客観的に鯨肉を見つめようと思っても、ついつい牛肉の方に走ってしまい、
ヤッパ、牛肉はウマイわ!とますます実感してしまう按配となってしまった。

値段も鯨より牛肉の缶詰の高かったから(1.5倍くらいかな?)
牛肉の方を贔屓にしてしまったのかもしれない。
世話人は値段で評価がすぐにブレてしまうのだ。