エビのかたまり!カニのかたまり!

 つぐまるのおまけへもどる

  今回のお題「カニカマボコ」

世話人は‘もどき物’が好きである。何々もどきとあると何であれその胡散臭さに
興味をそそられてしまう。人間もどきというのはちょっと気色悪いが…・

このカニカマボコは‘もどき物’の代表格である。姿、味ともにカニに似せようという
必死の努力がにじみでている。姿についてはズワイガニの足の身風(上の写真)の
パターンが歴史も長く一般的だが、タラバ風のゴツイやつなんかもある。
世話人は最初に食べたのは何時かみたいな時期的なものはけっこう把握しているつもりだが、このカニカマボコについてはとんと記憶にない。たぶん10代後半の頃だと推定されるが
さだかではない。それほど最初の頃は本物のカニとカニカマボコとの識別がきちんと
できていなかったということだろう。もし子供の頃からカニカマボコをカニと教え込まれて食べていると後で本物のカニを食べてもヘンだと思ってしまうかもしれない。
とんでもないトラウマを残してしまう。ある奥さんはご主人にカニカマボコをカニだと偽って何年も食べさせているという(注:世話人のことではない)。
ご主人はご馳走だ!ご馳走だ!と喜んで食べているそうだが、スゴイ話だ。

ちょっとはヘンだと思わんのか??

‘もどき物’の話にもどそう。人工イクラというのがある。見た目といい、味といい、
噛んだらプチッというあの食感といいまったく本物のイクラと区別がつかんそうな。
(食べたことないけど・・)
その上本物のイクラより値段が高いらしい(似せるためのコストが高くついているのか?)。
とにかく本末転倒もどき物の王者である。
それにくらべてカニカマボコのもどき状態というのはどっかステバチなところがある。
というのは、とにかく似せようと頑張ったがどうにもこうにも今一歩本物に近づかず、
とうとうあきらめて、もぉーバレてもいいやぁーという感じなのだ。
そしてその中途半端なあきらめ感というのが愛される理由かもしれない。
所詮、世の中この程度よ!という感じなのだ。

見た目だけならなんとかカニになったのだろうけど、あの食感はどうにもならない。
カニではない。カマボコ特有のぬったり感がぬぐいされないのは技術的にも難しい
ところなのだろう。味についてはキュウリのスライスにマヨネーズであえるとグッと
カニに近づく。十分ごまかせるとこまでくる。
(注:キュウリとマヨネーズとカマボコ等の練り物系は相性が大変良い!→ちくわの項を参照)しかし、カニカマボコ単体の勝負となるとこれはもうムリだ。すぐバレる。
まして、コレを焼いたり、揚げたりなどしたらもうダメだ。
カニの風味などブッとんでカマボコまるだしになってしまう。

なにかとカニカマボコの悪口ばかり云っているようだがそんなことはない。
もどき物の特性についての話なのだ。もともと世話人はカニカマボコが大好きで、
とってもその特性に愛着があり、カニカマボコ推進派なのだ。
推進派なんだけどカニカマボコはカニカマボコのままで決して進化しないで欲しい。
あのハンパな状態を維持して欲しいと願っているのだ。

余談:つぐまるは‘カニカマ入りササミ’というネコ缶が大好きだ。かかりつけの獣医の
イトウ先生も食欲のないときは、ちょっとカニカマボコをあげるといいよと教えてくれた。
(実際、つぐみは体調をくずした時にコレをパクパク食べて元気になった。)