エビのかたまり!カニのかたまり!

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  今回のお題「ちくわ」

いきなり‘ちくわ’では世話人のシーフード食材レベルは低いと思われるかもしれないけど
ちくわが好きで好きでたまらなぁーぃ!

‘ちくわの天ぷら’

それは1965年のことだからもう35年も昔のことになる。
当時転校したばかりの小学校低学年であった世話人は、そのころからちょっと
変なところがあったがそれなりに生きていた。

ある日、家が市場で天ぷら屋さんをしているという友人に連れられてその市場に遊びに
いった。世話人のところはサラリーマン家庭であったので、世の中の親の職業はすべて
サラリーマンであると意味もなく信じ込んでいた。
その市場にはほかの友人もいてそれがボタン屋さんだったり金物屋さんだったりしたので、
親の職業はそれぞれ違うというあたりまえのことに気がついて子供心に大変驚いた。

そして、九州から出てきて田舎者というより山猿に近かった世話人に親切なその友人の
お母さんは揚げたてのちくわの天ぷらをくれた。
それを口にしたとき、世話人はこの世の中にこんなおいしいものがあったのかとそんなに
人生経験がないにもかかわらず感動して舞い上がってしまった。

早速家に帰るなり母親をつかまえて「今日生まれてから一番うまいものを喰った。
場所はわかっているからぜひ明日ついてきて買ってくれ」とせがみたおした。
母親はそれがちくわの天ぷらであることを想像がつかないままに
次の日、世話人に連れていかれることとなった。

その後、大人になって飲み屋の品書にちくわの磯辺揚げなんぞあるとついつい頼んで
しまう世話人だけど、あの初めてちくわのてんぷらを喰った時のめくるめく感動は
なぜかよみがえってこない。

あのちくわの天ぷらはどこにいったのだろう。

 

‘ちくわの隠しワザ’三位一体

ちくわのはいった料理はなんでも好きだ。おでんは真っ先にちくわだ。筑前煮もちくわだけ
よって食べる。貧困な時代のインスタントラーメンの具はちくわの輪切りだけだった。
(見た目はとっても悪かったが・・)
しかし、なんといってもちくわはシンプルに食べるにかぎる!でもそのまま丸かじりと
いうのではあまりにも悲しすぎる。つぐまると同じレベルになってしまう。
せめてちくわの穴のなかにキュウリぐらいいれて食べたい。

実はこれに隠しワザがあるのだ。

その隠しワザを身につけたのは1975年のことだからもうかれこれ25年も前になる。
初めてちくわの天ぷらを喰った時から10年後の事だ。当時上京したばかりの世話人は
いろんなお酒のおつまみを求めていた。そう、うまくてリーズナブルなやつだ。

その一つがちくわにキュウリを差し込んで3cmぐらいに切ったものだ。
これにマヨネーズをちょっとつけてたべたりするのだが、なぁーんかしっくりこない。
なぜだろうと考えているうちに気がついた。

そうだ!一体感がないのだ!
ちくわとキュウリとマヨネーズが別々の動きをしている。
そのためにつなぎの足りないハンバーグを食べているような空虚な気分になるのだ。

ちくわとキュウリとマヨネーズの三位一体をめざさねばならない。

そして思考錯誤の結果、ついに一体感を得る手法をあみだしたのであります。

以下その説明

まずちくわの片側の穴にちょこっとだけマヨネーズをいれる。
(このちょこっと加減が熟練を要するのだが、何度か失敗すれば必ず身につく。)

マヨネーズをいれたほうの穴に口をつけてそぉーっと息を吹き込む。
(このそぉーっと具合が熟練を要するのだが、何度か失敗すれば必ず身につく。)
そして息で穴の中のマヨネーズを反対側へ押し出していく。
こうしていけば穴の内側に均等にマヨネーズが塗られていくという訳だ。

              

そして最後にマヨネーズが反対側の穴からでる瞬間がむずかしい。ちょうどマヨネーズが
小さな風船となって反対側の穴でプッチンと割れるような感じがベストだ。

            

ここでお気づきだと思うが、マヨネーズの量が少ないと反対側まで届かない。
逆に量が多かったり、吹く息が強すぎたりすると反対側からドッと出てそりゃぁーもう
大変なことになってしまう。

くれぐれもカーペットの上を歩きながらこんな事をしてはいけない。

最後に細身に切ったキュウリを差し込むのだが、このキュウリのサイズのチェックを
おろそかにしてはいけない。細すぎればねらいの一体感が得られないし、太すぎると
せっかく苦労して内側に塗ったマヨネーズを一気に押し出してもとの木阿弥だ!

あとはこのちくわとキュウリとマヨネーズの三位一体感をくずさないように三つぐらいに
そぉーっと切れば出来上がり!

失敗を恐れずに一度ためして見てね!絶対違いはわかるはず。

あっ!大事なことを忘れていた。これに使うちくわは決して高級なものを
使用してはいけない。5本セットで売っているぐらいの安いやつ
(紀文の竹笛というのかな?別に宣伝する訳じゃないけど・・)
がちょうどキュウリにマッチするようだ。