それはボロブドールから始まった!
何故世話人が廃墟や遺跡を追いもとめるのか?
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世話人が遺跡や廃墟大好き人間になったのには訳がある。一度コレを語っておきたかった。
それは1970年頃のことではないかと思う。
まだ中学生だった世話人は、ある日夢を見た。
この頃はしょっちゅう寝ていたし、寝ていても起きていても夢を見ていた。

その日の夢は階段状の構造になった遺跡を上空から眺めているというものであった。
そして、その遺跡の光景が鮮烈に頭に焼きついてしまった。
ところがしばらくして新聞か雑誌を見ていると、その夢でみた光景が現れたのだ。ゲッ!まさしくその遺跡ではないか!
デジャヴみたいな感じかな?驚いた!
それがボロブドールという仏教遺跡であることを知った。インドネシアのジャワ島にあるという。
今ではバリ島あたりに行くついでに簡単にいけるけど、その当時は政情その他で簡単に行けるようなところではなかった。
もっとも中学生ではどこだって簡単には行けなかったが・・・

しかし、あまりにその夢が強烈であったため、ボロブドールに何か秘密があり、
自分にメッセージを送ってきたに違いないと信じ込んでしまった世話人は、とにかく行こうと決心した。



こんな感じで夢に出てきた!
ような気がする・・・

そして、世話人は単身インドネシアに向かった。1982年のことであります。
この頃はもう楽勝で観光が出来るようなところになっていたが、世話人も社会人に
なっていたので別の意味で簡単には行けなくなっていた。

当時の上司は世話人の言うことを理解してくれたとはとても思えないが、
お前みたいなのは、いてもいなくてもいっしょだと思ったのか休暇をくれた。

ありがたいことでありました。


行って結局どうだったのか?何か秘密が解き明かされたのか・・・?
別に何もなかった。特に感動もなかった。


ボロブドールは確かにそこにあったわけだけどここまで来たのだから
ここにあって当たり前だぁ〜という印象だ。

それにユネスコが改修していて巨大なタワークレーンがあったりして、
もうなんじゃ!これは!という感じでありました。


そのうち、夢で見た遺跡というのはボロブドールではなかったような気がしてきた。
ここまで来て頼りない話ではあるが、最初に見た時から10年以上経っていてもう夢もうろ覚えになっていた。

それにいろいろ遺跡とか廃墟とかを調べているうちに、なんとなく似たようなヤツがアンコールワット周辺にもあったりなんかして、
正直不安にはなっていたのだ。やっぱり違うところにきたのだろうか?
勘違いしたかもしれない。そもそも単なる夢か・・・・?

そんなこんなで悩んでいるうちに遺跡や廃墟から離れられなくなってしまったわけだ。


せっかくだから1982年当時のボロブドールとその周辺の遺跡紹介であります。


なかなか全景が写らない。

他のサイトにはもっとわかりやすくてイイ写真が
いっぱいあるので、そちらのほうがイイかも・・

ボロブドール

       

平面図と立面図 120mx120mの正方形で高さが42mのピラピッド状のものだ。


頂上の主塔部、この中に仏像があるらしいが
どこから入るのだろう?

こういった内部空間といったものが存在
しない閉鎖型の寺院はイベントなんかが
やりにくかったと思う・・
どうでもいいことだが・・



後ろにタワークレーンが見える。
(フランス製だったと思う・・記憶だが・・)



工事中の小屋やホースの類が遺跡に
へばりついて、とても無粋だった。


こんな回廊がぐるぐる廻っている。
壁画彫刻がすばらしいらしい・・・


いわゆるストゥーパ(仏塔)も
以前はボロボロだった。
(現地にあった写真)


それもけっこう修復されていた。


チャンディ・セウ  このあたりでは最大規模の仏教遺跡だ。
ボロブドールと
ほぼ同時期(1200年ぐらい前かな・・)だが随分と形が違う。
チャンディはお寺でセウは千という意味らしいから、さしずめ‘千仏寺’といったところか?
その名のとおり、中央の祠堂の廻りに小さなお寺があるという複合体だったようだ。

     

当時は中央の祠堂がそれらしく残っているだけであとはガレキの山でありました。
現在は中央の祠堂も左の復元図に近いもの修復されているようだ。



中央の祠堂に入ってみる。
天井が抜け落ちていた。

祠堂から周りを見渡してもやはりガレキの山だ。



ガレキの中にもちょっとした広場みたいな
空間がある。人がいないので気味悪い・・



廃墟は続くよ・・どこまでも・・・


プランバナン  これも有名なビンズー教寺院跡だ。

   

フォルムが美しいのでボロブドールと同様に世界遺産に指定されている。
遠くから見ると確かにきれいだ。近くに行くと
周りはガレキの山だった。(右)
今はきちんと整備されているようだ。

チャンディ・サンビサリ
当時、発見されて間もない小規模の遺跡だった。
なんでも地面から深さ5mぐらいのところに
ずっと埋もれていたらしい。
ちょうど発掘中か、
修復整備中のところに行き合わせた。


どんないきさつで発見されたかのかわからいけど、
巨大なプールみたいに掘られた真ん中に

そのままの形でちょこんといたのには感動した。



ジョグジャカルタ近郊の農村地帯には地図にもない遺跡が
ポロポロと点在していた。

道をヒツジが勝手に?歩いていてとてものどかだ

 



・・・道 中・・・
        
ボルネオかどっかの上空から見たら、川がクネクネと流れていてコレはホント日本じゃないなぁと思った。
インドネシアの国内線は結構おおらかで飛行中のコックピット中まで見せてくれた。
中には入っちゃダメと言われたが・・・そりゃそうだ・・・

こんなこと今では考えられない・・・!

参考文献:東南アジアのヒンドゥー・仏教建築(千原大五郎著)鹿島出版会