|
まず、その構成というかスタイルだが、セルメンはリーダーがもちろんセルジオ・メンデスでピアノだ。
女性のツインボーカルでバックが男性3人とセルスターズとまったく同じだ。セルジオ・メンデスの位置に平田隆夫がいるという点も同じだ。
セルジオ・メンデスはヒゲをはやしている。そして平田隆夫もはやしている。同じだ。
しかし、女性のツインボーカルが、それはもう似ても似つかないのだ。似た人を捜したけど結局見つからなくて妥協したという感じではなく、
はなっからそのつもりはないということのようだ。丸メガネにおでこを出した三つ編み風のヘアスタイルはもうボサノバのイメージと対極に
あるといっても良い。そして写真によってはカーボーイハットをかぶったカントリー風の衣装で出てきている。
ボサノバという先入観をもっていると絶句する。
その女性ボーカルの名は‘みみん あい’という。名前を聞いてアッと思い出す方もいるのではないか。
あーそやそや、そんな名前やった!と関西人だったらそう云うかもしれない。
それぐらいインパクトが強くてオリジナリティが高かったということだろう。もうコピーバンド云々という話ではなくなる。
では、曲のほうはどうだったのか?セルスターズはセルメンの代名詞とも云える‘マシュケナダ’をカバーしている。
その他のセルメン的ポップス曲もカバーしている。だからコピーバンドかと思ってしまうのだが、どれもセルメンのタッチではない。
セルスターズ独自のサウンドだ。そして悪くはない。セルメンよりイイと感じるものもある。どうなっているんだ?
そもそもこのセルスターズの選曲の基準というのがよくわかない。オリジナルはもう全て超えているという感じだが、
他のスタンダードのカバーも‘レット・イット・ビー’があったり‘ある愛の詩’のスクリーンテーマがあったりでどうもベクトルが見えない。
そしてオリジナルを含めてどれをとってもボサノバのテイストが全くない。セルメンがよく形容されたボサ・ロックというわけでもない。
なぜヘンにセルメンの影響みたいなものに固執している部分があるのか?やはり謎だ。

いずれにしても、高いオリジナリティと技術があったにもかかわらず、こんなグループが何故短命だったかわからない。
まぁーわかるような気がしないでもないけど・・・もうすこし世間に合わせるようなところがあれば違ったのだろう。
本当にハチのムサシみたいに燃えつきたのかもしれない。
結局、日本で最初のボサノバメジャーバンドどころかボサノバのグループというわけでもないし、
やっている曲もボサノバでないことは、判明しているのでボサノバ歌謡の世界で論じられることもない。
しかし、どうも気になるというか・・・忘れてはいけないグループの一つだ。
|