ボサノバのDVDを味わおう!      2008.12
           
つぐまるのボサノバ天国にもどる


      

ボサノバのCDや音源については、それはそれは山のようにあるし、
そんなものをいちいち紹介しようなどという恐ろしいことは世話人も考えてはいない。

しかし、ボサノバ系のDVDについては、そんなにも数があるわけではないし、
映画音楽として採用されているものもふくめて今回一気に紹介しようと思うのだ。
それもあくまで国内盤に限ったもので、しかもレンタルされているものに絞ってみた。
(購入してまで見るというのもアレですから・・)



           内容とコメント           ・



 
「ディス・イズ・ボサノヴァ」


邦題にすると「コレがボサノバだぁっ!」てなところか?
(わかりやすい)
しかしまぁ〜需要から考えると、こんなDVDがあっても、
だれも借りもしないし、ましてや買いもしないような
気がするのだが、ボサノバ愛好家からみるとそういう意味では
大変ありがたいものであります。

だけど、元となっているのは2005年のブラジル映画だが、
これが2007年に渋谷Q-AXシネマで上映された時、
興収記録、洋画最長上映週数記録ともに新記録を樹立したというから
わからないものだ。

内容は、「ボサノバの歴史」という本のビジュアル版といった感じで、
ボサノバ誕生から現代までを、貴重なアーティストたちの映像と
証言でつづったドキュメンタリーといったところであります。

カルロス・リラやホベルト・メネスカルといったボサノバ創世記からの
大御所が弾き語りながら紹介していくのは楽しいし、
フランク・シナトラあたりまで登場してくる映像は、
結構新鮮であっという間の2時間だ。




 「アントニオ・カルロス・ジョビン イン コンサート
フーチャリング ガル・コスタ」


世話人の知る限りでは国内外のアーティストを問わず、
ボサノバライブのDVDというのはあまりない。
そういった意味では貴重なものだ。もちろん最近の人で
ボサノバもやる人はいっぱいいるし、ボサノバ風のアレンジや
ボサノバテイストを含んだという切り口でいけば、
もっと巾は広がるのだろうけど、ボサノバに特化していると
言う点ではどうしても絞られてしまう。

映像はかなり古いし、もともと撮影の状況も良くなかったのか・・・、
いまどきDVDでコレかぁ〜という代物なので
この点は覚悟していたほうがいいかも。

内容はA・C・ジョビンバンドのライブ映像といったところか。
ピアノとボーカルがジョビンでドラム、ベース、ギターにチェロと
フルートが加わるというボサノババンド独特のユニットに
5人の女性コーラス付だ。
これにガル・コスタが絡んでジョビンのピアノだけと
組んだりでなかなか飽きない構成だ。
曲もボサノバのスタンダード中心で楽しめる。



 
 「黒いオルフェ」


1959年、第12回カンヌ映画祭パルムドールに輝いた
ラブロマンスの傑作で、元はギリシャ神話のオルフェウス伝説を
リオ・デ・ジャネイロを舞台にボサノバ界では重要人物である詩人の
ヴィニシウス・デ・モラエスが戯曲化したものだ。

映画に流れる音楽はリオのカーニバルがテーマだけあって
サンバのオンパレードという感じだが、
この映画音楽でもある黒いオルフェのテーマ
(主人公がギターで弾き語るが、いまひとつ口パクがバレバレ)や
ア・フェリシダージという曲がボサノバのスタンダードとして
認知され、有名なのでボサノバが映画音楽の映画の筆頭格になっている。

映画自体は全体が古臭い感じが否めないのと悲恋がテーマなので、
見終わってちょっとすっきりしない気分にはなってしまう。



  
『黒いオルフェ』を探して-ブラジル音楽をめぐる旅-


前出の黒いオルフェのロケ地や当時の制作にかかわった人たちへの
インタビューをまじえてその映画の背景を探っていく
ドキュメンタリービデオだ。

ホベルト・メネスカルがガイド役といった感じだが、
そんなにおもしろいものではなく、前出のディス・イズ・ボサノヴァの
ほうが登場人物も豊富でわかりやすくて楽しい。

当時の映画で主人公オルフェを演じていたブレノ・メロが健在で
(もちろんおじいさんだが・・・)出演していたのには驚いた。

この映画に特に思い入れのある人やサンバ、ボサノバの知識を
ちょっと身に付けたい人向きかも・・。




「男と女」


ボサノバといえばこの映画音楽のテーマであるフランシス・レイの
ダバダバダ・・・という男女のスキャットの印象が強くて、
本家ブラジルをさしおいて、これが元祖ボサノバと
一般的には思われているかもしれない。

この映画音楽を演奏しているピエール・バルーは
フレンチボッサの大御所でこのテーマ曲以外のものも
ツブヤキ系の伝統的ボサノバスタイルの曲だ。
いずれにしてもフランス語とボサノバは本当にマッチする。

この映画のサウンドトラックはCDにもなっていて、
こちらもなかなかよろしい。




 
「ウーマン・オン・トップ」


映画の冒頭、「昔々、ボサノバの国にイザベラという娘がいたの・・・」というフレーズにしびれ、思わず見入ってしまう。

内容は他愛もないラブコメと言ってしまえば身の蓋もないが、
舞台がブラジルやサンフランシスコへとテンポよく、
主演のスペイン出身の若手女優ペネロペ・クルスが、
夫の浮気が原因で家を飛び出した天才料理家である妻を
魅力的に演じている。

映画音楽はボサノバオンリーというわけではないが、
全編ブラジル音楽もりだくさんで、それもスタンダードではない
ところが、かえってよかった。
知った曲ばかりだと映画より曲のほうに気が取られてしまいますからね。