更年期障害


 女性の寿命が延びるにつれ、更年期から老年期の人生が、一生の半
分を占めるようになりました。この大切な時期に更年期障害で悩んでい
ては、人生の損失です。クオリティー・オブ・ライフを高めるために、更年
期障害を克服しましょう!

 こんな症状はありませんか?

のぼせ、ほてり、発汗、肩こり、不眠、腹部膨満、動悸、めまい、
頭痛、精神症状(うつ状態、イライラ、怒りっぽいなど)

 更年期障害の治療

1.ホルモン補充療法(HRT)

   女性ホルモンを利用して、症状を改善します。更年期障害が女性
  ホルモンの低下によって起こる為、それを補充します。注射、内服、
  貼り薬があります。症状を和らげるのに、最も効果が期待できます。
  薬の投与方法には、エストロゲンという女性ホルモンのみ使う場合と、
  黄体ホルモンを併用する方法があります。年齢、月経の有無によって
  投与方法が変わります。

 ※女性ホルモンの副作用について

  米国の治験では、ホルモン剤を使った人の乳癌の発生率は、1万人
  に38人で、使わなかった人の乳癌の発生率は、1万人に30人でした。
  つまり、1万人中ホルモン剤を使って、8人が癌になった可能性がある
  という報告があります。副作用の無い薬はありません。薬の効果(更年
  期障害の改善度)と副作用をよく理解してください。当院では、乳癌、
  子宮体癌、血液検査を定 期的に行っており、十分注意して使用して
  おりますので、安心して頂きたいと思います。

2.漢方療法

   更年期障害の症状を和らげるのに、女性ホルモンほど顕著な効果
  はありませんが、徐々に効果が出て、生活に支障の無い程度まで改
  善させる事 が可能な場合があります。同症状でも体質によって薬が
  異なったりしますが、比較的副作用が少ない為、安心して使えます。
  月経が規則的にあるような比較的若い方にも使えます。

3.対症療法

   特定の症状に対して症状を改善します。不眠なら眠り薬、めまいなら
  めまいを抑える薬というように使います。これは、上記のホルモン補充
  療法や、漢方療法と併用しても使用できます。