鶴見線の詩

1976.9 撮影

1976年9月のある日、

カメラを持って

あてもなく小さな旅に出た。

なぜか京急線の生麦駅で降り、

東に10分ほど歩いてみた。


水辺に出た。

鶴見川が東京湾に注ぐ河口近く。


橋が見えた。

幾重にも連なるアーチが印象的だ。

少年が旧型の電車に向かってバットを振っていた。

葡萄色の3両編成は鶴見線だ。


サイドビューが綺麗に撮れる!

暫く夢中でシャッターを切った。


帰り際に振り向くと、

少年ではなく

上半身はだかのおっさんが

鶴見線に向かって一心にバットを振っていた。