夜の痕跡


雲の流れ
枝から枝へ
鳥のかたちの
空洞が移っていく

下層に流れる水の音
それはやがて火の川になり
蒼穹の端に
光の渦をつくる

枯れ木の埋まった肌に
夜の痕跡が
これから来るもののように浮かんだ

街灯の姿で窓の外に佇む影
黒く続く道の曲がり角を
ただ照らすようににじんでいる