神の頂


森の
葉という葉は
枯れおちて
蒼穹には
冷たい光が
しみわたる

何処にも
太陽は見えない
蒼穹の奥に
退きつつあるのか
それとも
未だ姿をあらわさぬのか

道を覆う
枯葉の上を
白い素足が歩む
蒼穹の高みに
青白く神の頂が聳え
大気を澄みわたらせる

うねる小道のはてに
大河が銀色にきらめき
いくつものざわめきを
地の終わりへと運ぶ
川辺に佇む素足の
満たされた孤独の時

胸の奥に
刺すような痛み
蒼穹は
暗い翳に包まれて
すべてはおだやかに
その形姿を沈めていく

これは没落の時・・・
いや、それとも
夜の君臨の時か?
神の頂は闇に溶け込み
かすかな雷鳴が
大地の上に響きわたる

素足は引かれるように
黒い流れへと歩み入る
青黒い風の吹く
空虚な夜の大空に
赤と銀の二つ星が
歌いながら
ゆるやかにのぼってくる