白い橋


深い蒼穹の下に
輝く白い橋
乾いた道は確かに
そこに続いている
沈黙のなかに疼く
消え去ったものたちの
軌跡のように

ポプラの下には
赤い顔がある
雨の降る塔のなかで
ひとりの子供を殺した顔
通り過ぎると
まなざしは静かにまわり
やがて背後で
嘔吐するような音が聞こえる

青白い川には
不溶性の紙が無数に流れ
<わたし>という名の鳥が
くちばしを開くこともできずに
蒼穹を見上げ
やがて沈んでいった

白い橋の上には
石を積む影の母たち
向こう岸から近づく
透明なまなざしは
砂よりもかすかな傷を残して
半身を通り過ぎる
見ることがひとつの病になる
その予兆のように