特急ライラック


色あせたあなたの唇を
指先でなぞってみる
不意に血のいろがさしたのは
夕の光のせい?

町に明かりが灯りはじめる頃
わたしは線路沿いの道をひとり歩いていた
通り過ぎる列車
そのひとつの窓にあなたがいる
頬杖をして
薄く目を閉じて

あなたの魂は
まだ北に向かっているのかしら
あの日々のように
そこですべてが
償われると信じて

もしもそれが
かなえられる夢であったとしても
それでも、
わたしは・・・

わたしは、生きる