祭り


祭りの日
何を祭るかも知らず
灰色の空と
降りしきる雨をあなたは見上げる
貧しいあなたの皿に
わずかな祈りをきらめかせ
立ち去る後ろ姿
その孤独な背を追い
走りはじめたあなたの背後に
祭りのかすかなざわめきが
海のようにひろがっていく