記憶



一緒に行こう
割れた鏡をつなぎ合わせて
映した空の下を

湖に沈む古い人形
眩しい湖面の揺らぎを見上げながら
その耳の回廊に
かすかな風の音が閉ざされている

あなたも聞いたはずだ
まだ何も記されていない、
或いは記されるはずだった
白紙の日録のなかで

ふきの葉を被った子供たちが
黒い森のなかで
ふるえながら空を見上げている
わたしたちも
そのなかにいたような気がする
誰かの夢を覗くように
何処か上の空で
寂しい目をして