エンドレス


目のまわりで
光の分泌する時間
透過できないままに
風が方向を変える

ひとつの運命のように
湧き上がる幸福のなかに
砂の密生する夜明けが
一条の声を描く

(やはり
こうするしかなかった・・・
決算書からこぼれおちる
沈黙の幼児たち)

一輪の花が
かすかな空気のずれに
咲こうとしている
仄かな紅を帯びて

唇の届く前に
花びらは散り
過去の路上で
変色するかもしれない

(それでも?)

それでも
光を分泌する
空気の乳房をつかみ
這い登るように唇を近づけた