オルフェ


路上に落ちた
一枚の枯葉すらひとつの歌
街路樹の上には星空がある
神のまなざしも
街のざわめきも知らず
星たちは流れやまない

交差点の向こう
街灯の下に佇む女は
わたしのエウリディケー
消し去れない裸体の凋落

わたしも衰えた指で
錆びた弦をかき鳴らそう
冥界でも
現世でもないこの場所で

廃墟の病院の向こう
高くそびえる黒い鉄塔は
星たちの夜・・・
生まれ変わる明日を奪い去るように
それでも
永遠にただひとりだと
あなたに言わせはしない