それは罪という名の


旭川の材木置き場を
赤く染めた夕日

家族はさがしていた
安らぎに満ちた午後を

古い店の窓が輝き
ひとりの老女が歩み過ぎる

青ざめ
やがて黒ずむ石狩川

家族は忘れ去る
帰るべき家を

受話器の冷たい手触り
繰り返される無言の応答

橋の向こうに消える家族を
わたしはただ見送った

城のように浮かぶ街の光
星のない夜空

捨てられた人形は川面をながれ
わたしは届かない愛を叫ぶ

それは罪という名の