記憶


数枚の白紙を差し出して
彼女は言った

・・・ここにわたしの思い出を書いて・・・

雨の降る旭川の街から
薄青くけむる神居古潭の夜明けへ
わたしの覚束無い記憶はさまよった

・・・わたしに、わたしを思い出させて・・・

彼女はもう一度呟いた