バレンタイン


この心のざわめきが
やがて甘さから
苦い味に変わるのを
最初からわかっていました
薄暗い図書室の扉から
灰色の雲の下
少し前屈みで遠ざかる
あなたの孤独な背中
わたしは
決してからかったわけじゃない
ずっとあなただけを見つめていました