夢の果て


夜明け前
花びらが敷き詰められた狭い路地を
誰かがゆっくりと遠ざかる
その淋しい気配を
盲いた窓たちが聞いていた
強いられた夢の果てにふさわしく
望みの形骸すら
灰白色の空には残っていなかった
それでも
愛していた、と
ひとつの窓がつぶやく
花びらの路地の上から
微かな光をあつめながら