ホワイトアロー


置いてきたのは
思いだけではなかった
たとえ別れという結果は同じでも
在りえたかもしれないあなたとわたしを
あの雪の丘に置いてきてしまった
向かいに座る少女のまなざし
トンネルのなかで
その後ろのガラスに映るのは
泣きそうになりながら唇を噛む
あの時のわたしだった