宗谷ー終着駅


束ねていた髪が
花のようにひろがり
凍った海に
夜明けが来ていた
待っているはずの人影はない
これが
あなたの終着駅だった

あなたの悲しい空想に引きずられて
ここまで来たのか
いや
わたしも空想のなかにいたのだ
黙り込むふたりに
戻りの始発のベルが鳴る

ちいさな弟を抱いた少女が
唇を噛んでホームに佇み
わたしたちを見ていた