光
白く
一条の光
今は風よりも遠く
扉の隙間に
瞳の映す地平線から
たどるべき言葉は色あせ
受胎した不幸は透きとおり
青く
波打つ光
記憶の未明の
臥した少女の細い指に
光を知らず
芽の中に眠る花々は
壊れた扉の隙間を埋め
声の封じられた野に降り積もる
その彼方には人影
遠ざかりながら近づく一条の傷跡
そこに打ち寄せられる言葉は
「あなた」という破片
虚空に賭けられた金貨
青く
波打つ光
もう一度だけ!