七夕に生まれたひとに


星たちと呼び合うように
無数の祈りが書かれた短冊のなか
まだ夏というには涼しい風が吹きすぎて
またひとつ年を重ねたことに
君は気づいた
そして
祈りよりも確かに
すでに愛してしまっていることに
君は少しうつむいて
掌を見つめた