冬・ひまわりの丘
雪にうもれたひまわり畑
見えるのは
ただ一面白いなだらかな丘
垂れ込めた冬の厚い雲
数メートルの観覧台の上
黄色い旗が微風になびいている
背丈よりも高いひまわりの群落の
迷路コースの入り口も
今は迷いようもない白のなか
あの焼けるような午後
ソフトクリームを落として泣き叫ぶ少女
驚いて振り返った目のなかに
もうひとつのまなざしを感じてから
この冬の午後へ
確かに薄い一筋の道が開かれていた
丘陵に続く林が
雲の裂け目の光に一瞬燃え上がる
別の男の腕に眠るのか
ひとり夕暮れを恐れているのか
つながりようのないひとつの道が
雪の下にうす青く開かれる
倒れたひまわりの群落のなか、
消えた迷路の痕跡のなかに