最後の詩


日録の
ページとページの間に開いた夜
星のない
(ざわめきという痕跡の)


「在る」という言葉を覆う鳥肌
すべてを語ろうとして落ちた砂漠
砂漠の石
黒い顔を彫り込まれて

・・・揺レテイル、海草ノ森・・・

「手を汚さずに
限りない弱さを見捨てる
大きく開いた口腔の闇に
消えかかる詩稿
こんな終わりのためだったのか?
苛烈なイマージュよ、予言よ、
意味ありげな一行よ・・・死だ」

・・・寒イ、ココハトテモ寒イ・・・

赤い咽喉にくるまれた胞子が
光の薄らぐ野を乱れ飛ぶ
暗い丘の老樹に
吊り下がった硝子の人形
ざわめきおこる潮騒

・・・アナタヲ、ズット愛シテイルワ・・・

「死だ・・・
わたしという孤独の崖に
這い登る無数の蛆虫
黒い太陽」

・・・永遠ニ・・・