再会


あなたの腕のなかで
世界を見つめ返す幼子の瞳
そのまなざしのかたちに
時は撩乱する

午前の透明な光のなか
風に舞う無数の雪の粒子も
雪に狭められた石狩川の流れも
古い橋の上の雲のかたちも
何もかもあの時と同じだ・・・
それなのに何故
わたしたちは「再会」しているのだろう

もう、あなたの腕には何もなかった
わたしの知らない歳月を刻んだ目尻に
かすかな微笑みが浮かぶのを
言葉もなく見つめた