永遠


花々に埋もれた
透明な唇

薄暗い古本屋で
同じ本に重ねた指

生まれる前の
河川敷に迷いこみ

音のない花火を見上げる
気配だけの人たち

皆で前のひとの
肩に手をのせた

その円い列から離れ
石に座り込んだ少女

その瞳がふるえて
溶けだしてしまう前に

あの赤い花火の輪をひとつ
あなたの髪に飾ろう