心地よい目覚め
まぶしい窓の光
静かな鳥のさえずりが
誰もと同じ朝を与えてくれる
遠くきらめく歩道橋
蒼穹に沈む青白い山脈
隣室のドアが開かれ
歩み去る靴音が聞こえる

秋の澄んだ空気
公園から聞こえる笑い声
それは子犬と遊ぶ母と娘
痛みのように幸福が咽喉をふるわせる
色づき始めた林の向こうに
低く連なる住宅地
そのひとつの窓ガラスが
輝きを増す光を照り返す

失われた歳月が
何のかげりもなく
沈黙の中によみがえる
林の中の小道は
野の枯れ草へと消えていく
わたしは
どんな後悔よりも先に歩いていきたい
それがあなたを忘れることであったとしても

・・・遠くから聞こえる子供たちの声
太陽の下に
この朝の光の中に
まぶしげな目をして(あの日のあなたのように)
わたしは佇む