青 或いは別れ
青い花の輪郭が
少しずつ薄れるのは
あの海に帰るためだろうか
花びらに幾つかの幻を
朝露のように浮かべて
最後の夢を紡ぎあげようと
かすかにふるえる
この青にも
時の層があることに気付かないまま
彼女は無人駅のホームから
海を見つめた