1 現実 2(2004/12/7)


 ネット詩か活字媒体の詩かなんていうのは、もう何の差異ももたらさない議論だと思う。だからどんなコンセプトでやるにしろ、結局は似たような停滞に落ち込んでしまう。ネット上で誰も知らないのに(笑)有名だったり一目置かれているような詩人がすでに存在していることもこれからも出てくることも想像はついていた。それは同人誌の世界を多少知っていれば誰にもわかることだと思う。

 要するに今いろいろな媒体で書かれている詩に異化作用を持つ作品が存在しないし、一時的に存在しても小さなコミュニテイの「ごっこ」の世界での差異化ゲームに落ち込んでしまうということだ。「批評が必要」なんて言ってみても、「ごっこ」の世界の自意識を強化する役割しかはたしていない。

 あえて未来について語る必要はないと思う。「現代詩文庫」が市場で大きく動いた頃のようなことはもう二度とないと言っても間違いないだろう。趣味の世界があるだけだし、そのなかで向上していけばいい。友達の一人でも出来ればすばらしいことだ。虚構でしかないヒエラルキーに縛られて、ごく身近にある出会いの機会を喪失するのはもったいないことではないだろうか。