3 なぜ(2004/1/21)


 以前からどんなジャンルであれ「ネット上のマナー」や「議論の仕方」について云々するひとは何故みんな攻撃的なのか不思議だった。たとえばひとの掲示板で延々と「ネットのマナー」の持論を展開するひとを見たことがある。別に管理人に要請されたわけでもないのに。それはマナーに反しないのか、と頭に?マークがいっぱい浮かんだ。

 陰湿な荒らしにあったひとがナイーブになるのは仕方がない。実際パスワードで掲示板を管理するひともいるが、もっと単純にBBSをコンテンツからはずしたり、ページを閉じることが多い気がする。

 しかしネットでもっとも多いトラブルは、ちょっとした言葉の行き違いやオーバーランだと思う。壮絶な揚げ足取りのきっかけは案外単純なものだ。先に例に挙げたタイプのひとは、わざわざトラブルを誘発しているのではないかとすら思える。自己防衛と攻撃性は表裏一体だから、それを自己分析しないでマナーなど語っても仕方がないはずだ。

 別にBBSに限らず、「コミュニケーションを求める」言動が「コミュニケーションを排除する」言動になってしまうケースはいっぱいある。それは「社会」と「個人」の矛盾などでは説明がつかない。わたしたちが不透明な「関係」のなかにあるということだ。素朴な言動ですら、その意味をこちら側で決定できない。否応なく責任を取らされてしまうこともある。そうすると、単に自己分析ではどうすることもできないものも出てくるのは確かだろう。

 しかし自己分析は必要である。少なくとも自分が「何を」言っているかだけではなく「何処で」「誰に向かって」言っているのかを考えない精神はコミュニケーションの問題以前の存在だろう。