神秘主義とは宗教や哲学にのみ関わる高尚な思考のシステム(或いは体験)ではなく、現実の力関係を転倒したかたちで支配するシステムだ。 わけのわからないもの、暗喩でしか語れないものほど自他を支配するのに好都合なものはない。そこに明らかに権力が機能しているのに、まるでその外部にいるかのように錯覚させる。 わかるからすごいというのが権力的な言説であると同様(或いはそれ以上に)わからないからすごいというのも権力的言説である。そこには無意識か或いは意識的な「現実」の排除がある。