9 稲刈りはじまる(2003/9/23)


 ものすごい不作の予感のなか、稲刈りがはじまった。

 10年前の大冷害。ニュースステーションの企画で立松和平が東北で水稲づくりを取材していた。冷害を予測していたわけではなく当時問題だったウルグアイ・ラウンド(米の輸入受け入れ)がらみの企画だったと思う。真っ青な棒立ちの稲を、降りしきる冷たい雨のなか傘をさして彼が実況していた姿が今も目に浮かぶ。

 当時は収量は確かに少なかったが共済金をもらい、皆さんがご存知の「米騒動」で価格も高騰していたので、実際のダメージは少なかったような気がする。サッカー日本代表の「ドーハの悲劇」の方が精神的に応えた(笑)

 今年は収量も取り巻く環境も当時より悪いと思う。当時はバブル崩壊後の不況真っ只中だったが景気浮揚策として膨大な財政支出があった。何の関係が?と思うかもしれないが、中小の農家は公共事業工事の土建に経済的に依存しているし、直接的には国が実際に農業保護に金を出す出さないは非常に大きな問題だからだ。それだけ農業経営に補助金の占める割合は大きいのである(今でも焼け石に水的な補助金が出ているが、来年から縮小するのは既定事実である)。そこにこの冷害だから、ダメージはたぶん当時の比にならない。

 ・・・ぐだぐだ言ってもはじまらない(笑)今ある仕事をするだけだ。