11 こころ(2003/6/23)


 特に自傷行為を繰り返す未成年の女の子を中心に「こころ系」と称されるHPのジャンルが確立している。精神障害や関係障害は何も若年層の問題ではないので、広い意味での「こころ系」のページは相当の数存在すると思う。

 わたしもいくつかのページを見たが、「このようなコンテンツははたして有意義なのか?」という疑問を抱かせられた。確かに「抵抗」の少ない交流はできる。孤立を避ける意味もあるに違いない。しかし「批判」を極度に恐れて、同調意見や仲間同士の軽いからかい以外は受け入れようとしない。平均して「批判」には攻撃的になり、そのたびにページを閉じたり復活したりを繰り返す。わたしにはそれは、病気を悪化させ固定化する行為のような気がしてならない。そこに、自分の思い通りにならず、否応なく現前する他者はいないからだ。本来向かいあうべき他者から無限に逃走できる場所として依存し、そこでしか存在できないような倒錯すらおこってくる。

 カウンセリングや病院についての情報交換などをするならWebコンテンツとしての意義はあると思うし全面的に否定するわけじゃないけれど・・・。ページに依存しなくなることが治癒の姿になるとしたら「こころ系」HPとはとても逆説的な存在になってしまうのではないだろうか。