11 さわやかな朝(?)(2002/11/25)




 まだバブルの頃でした。冬のバイト先のホテルは異様に忙しくて、12月から1月の最盛期にはほとんど休みがとれない有様でした。2月にやっと取れた連休、大雪警報が出ているのにもかかわらず、おじさんは飲みに出かけました(^-^;)
 
 友人と飲み歩いて、彼と別れたあとも、ホテルの調理師がバイト(もちろん違反ですが・・・)しているスナックに寄りました。午前3時ごろにもう帰ると言ってハイヤーを頼んだのですが、
大雪で行けないとあっさり断られました。「ぼくは明日朝食で調理場の裏で寝るから一緒にホテルに行きませんか?」という彼の言葉にすがって一緒いホテルに歩いて行きました。街中でも視界不良の豪雪。二人は雪まみれになってホテルにようやくたどり着きました。彼は調理場の和食の冷蔵庫を開けて、「いくら丼食いませんか」というので、お言葉に甘えて(笑)たらふく食べました。しかし、いざ寝ようとしたら、毛布だけの粗末な仮眠スペースは体格のいい彼一人が寝るのに精一杯の狭さで、「おれ、レストランのロビーのソファーで寝るよ」とひとり横になりました。
 
 何かにぎやかなので目を覚ますと、朝練に起きてきた泊りのスキー部の
学生たちがそばをぞろぞろ歩いています。(しまった!)あわてて起きて、フロントの夜勤のおじさんに説明に行きました。するとおじさんは、「ちょうど良かった!朝食に出るはずのマネージャーが来ないんだ、手伝ってよ」というので仕方なく私服のままで配膳を手伝いました。一緒に飲んだ彼は二日酔いで使い物にならずかなりバタバタしましたが、一段落。そこにマネージャーがやっと来ました。ただでさえはれぼったい顔をさらにでかくした顔で「あれ〜なんでいるの?」というので「奉仕です」(笑)とわけのわからないことを言って、ようやく動き始めたハイヤーにを呼びました。ところどころで乗り捨てられた車を見ながら雪の止んだ輝く街を、おじさんは妙に爽やかな気持ちで帰路に着いたのでした。