トップページ柏レイソル観戦記>2005.12.7/10 柏レイソル×ヴァンフォーレ甲府

■2005 J1・J2入れ替え戦 第1戦
2005.12.7(水)19:04〜 山梨県小瀬スポーツ公園陸上競技場
ヴァンフォーレ甲府 2−1 柏レイソル
【得点者】甲府−倉貫一毅(25分)、バレー(48分)
柏−レイナウド(11分)
■2005 J1・J2入れ替え戦 第2戦
2005.12.10(土)15:04〜 日立柏サッカー場
柏レイソル 2−6 ヴァンフォーレ甲府
【得点者】柏−レイナウド(52分)、宇野沢祐次(86分)
甲府−バレー(10分、27分(PK)、53分、68分、69分、87分))

■もりやすの感想

【第1戦】

 カシマスタジアムで風邪ウィルスとともに帰宅した俺。治る気配もなく、病人と妊婦を甲府までつれて越させた柏レイソルへ憤りを感じつつ、小瀬入りしました。

 この日は水曜日。自分も非常に強引に仕事を抜け小瀬入りしただけにどうかと思っていましたが、俺たちが行く頃には柏ゴール裏はすごい行列。皆様には頭が下がります。

 スタジアムにいる人も遠くから念を送ってくれてる人も、皆柏レイソルを愛していて心配しているんだ。そう思うと、来る道中で感じていた孤独感は薄まり、これから始まる試合へと集中していきました。

 試合開始直前。お客が埋まってきた小瀬。アウェイを痛感する寒さと雰囲気の中、試合が始まりました。

 試合は序盤、いきなり柏に得点が生まれます。大野からのFKをレイが頭で決め先制点。俺は喜びを抑えてガッツポーズを出しました。これで終わるはずもなく、ここからが最も重要だと思ったからです。

 しかし、ここから主導権を取り続けたのは甲府の方でした。柏は先制したことで無意識的に守りに入ってしまったのか、甲府が開き直って自分たちのサッカーを見せつけたのか。その両方が有機的に組み合い、結果、柏に全くいい所がなくなってしまいました。

 絶句してしまったのは、圧倒的に運動量で負けていたこと。柏にとって緊張する状況であるとはいえ、こうも差が出るとは思いませんでした。これは今日この日のせいだけではなく、1年間、いや、ここ数年間蓄積された柏レイソルの悪い膿を象徴するかのようでした。

 足が止まったが故の同点。そして逆転。危機的な状況にあって初めて足がかすかに動き始める柏。昨今の悪い柏を象徴する1つがこの試合も出ていました。

 サポーターは、追い込まれた状況から応援しはじめるなんてことはありません。1人1人が試合開始から全力で声を出し飛び跳ねて柏を応援しています。それなのに・・・と思うと、悔しい。

 試合終了。負けるという現実の前に、悔しい気持ちと裏腹に1つの気持ちがありました。これで日立台で全力で叩き潰せると。試合開始から危機的な状況となる2戦は必ずや最高の勝利を見せてくれるはずだと思っていました。

 「大丈夫。まだもう1戦あるから。」自分に言い聞かせるように妻しなこに言いました。

 帰りの道中。SAで食事を取ろうと立ち寄ると、たくさんのサポと選手に会いました。みんなの顔を見てほっとし、選手にはここで風邪ひくなよと思い、寒い甲府を後にしました。

 追伸

 停電した時は目の前が真っ暗になり、「ああ、とうとう応援しすぎて死んだ・・・」と瞬時に思ってしまいました。

 妻しなこが無事で良かったというのと、真っ暗な中での「柏レイソル」コールにここにきて良かったなと思いました。

 でも、ナイスタイミングで冷たい雨が降ってきやがって、おまけに不祥事をアクシデントと言ってノリノリのスタジアムDJには腹が立ちましたねえ。



【第2戦】

 日立台へ向かう道中。おいなり様へ「おいなり」を奉納しようとする前、携帯でスタメンを見て正直愕然とし、言葉になりませんでした。

 失望が怒りに変わり、我を忘れそうになりましたが、試合前からそんなことじゃイカンと自分を戒め、これから戦う選手たちを信じて最後まで応援しようと思いました。

 スタジアムに入り、お友達の皆さんとご挨拶。これから始まる試合に、これから訪れる勝利に疑いのかけらもありませんでした。

 しかし、信じられない結末は現実として、俺たちの目の前に映し出されました。

 屈辱的な大敗。試合の内容的には、永田の退場がターニングポイントでした。不運だったかも知れませんが、イエローをもらった何れもが、相手より1歩足が出なかった結果だったのだと思います。

 大敗そして降格。その瞬間、全く涙は出ませんでした。人間は圧倒的な絶望が本当に目の前で起きると、悲しみの前に思考が停止してしまうのかなと感じました。



 ご批判を承知で書きます。俺も試合後スタジアムに残っていました。それは、こんな結果でもせめて増田と薩川に一目会いたかったからです。

 「監督を出せ」と言っている人たちがいましたが、勘弁してくれ、監督の顔なんかもう2度と見たくないって思ってました。気持ちは俺も一緒だけど監督出てきたら今までの全部ナシヨって何のかよって思ってました。

 今この現実を前にして、責任の追及をするのは結局「後の祭り」です。それにこのタイミングでサポカンとかやってもあまり意味のないことだと思います。サポが圧力団体になるのではなく、クラブと一緒に現実を受け止め、共に生きることが自分にできることかなと思います。

 しばらくして、もう選手は出てこないんだと解り、ゴミ拾いして帰りました。最後まで「○○を出せ」や「説明しろ」と言っていた方。お願いですから来年も変わらぬ愛情を持って、何食わぬ顔で一緒にJ2の舞台で柏レイソルを一緒に応援し続けてください。



 この日確認できたこと。バウルの言葉どおり色々と問題の多い柏レイソル。でも、それでもタイヨウフウフにとって柏が1番の愛するクラブであること。

 外国人に悩まされ続けても、補強が補強でなくても、強化部が無能でも、そして降格しても、苦しみも喜びも全てを共に柏レイソルと生きていくと再確認したこと。

 柏レイソルの太陽は沈みました。でも、再び昇らない太陽はないじゃない。長く苦しい道になるけれども、柏レイソルがある限り、タイヨウフウフはタイヨウフウフでいさせていただきます。

 試合終了後、挨拶に来る選手。遠くでは甲府が喜びを爆発させています。その光景を見て、俺は妻しなこに言いました。

 「しなちゃん。今のこの光景をよく見ておこう。ここから柏は生まれ変わるから。お腹のなまはげと一緒に新しい柏がここから産まれるよ。」



 と、いうわけで、来週唯一のJ2代表として、神戸へ行ってきます。


■しなこの感想
【第1戦】

 本日のスタメンは、永田クン、波戸さん、土屋さんの3バック、ボランチに大谷クンと祐三クン、右谷澤クン、左増田さん、トップ下大野クン、そして貴章クンとレイナウド2トップと言う布陣。


 連日の非公開練習に秘かに「プレッシャーかけすぎなんじゃないの?」と不安に覚えていました。
 その不安が見事に当たってしまったようで、悲しいやら、腹立たしいやら。


 とにかく終始、甲府の走って走って走って相手を追い詰めるプレーに慌ててしまい、パスミスや意味のないロングパスを繰り返すばかり。
 何のために練習を非公開でやっていたのか分からないよ。


 2点目を奪われた直後は目が覚めたように気合入れて攻めたてたけど、得点に繋がらないと時間とともにその気合すらも小さくなってしまったようでした。


 チャンスがなかった訳ではないです。
 外しちゃったけどレイナウドがGKと1対1になったり、他にも惜しいシーンを何回か見ました。
 でも、全体的に見れば、走っていたのは甲府の方だし、きっと自分たちのサッカーが出来ていたのは甲府の方、それに、もう「何万回の惜しいシーン」は必要ない状況にまで来ているし、それをより自覚していたのは甲府の方だったと思います。


 次の日立台。


 今度の土曜日、私たちはレイソルのサッカーを見届けに行きます。
 もちろん、勝ってほしい、と言うのが正直な気持ちですが、それよりも「これからも応援していきたいのは柏レイソルなんだ。」と思わせてくれるような試合を見せてほしい。



 以下は個人的な感想ですが・・・


 次のスタメンなんだけど、レイナウド・・・どうなのかな?
 守備はほとんどしないし、競り合いには全く勝ててなかったし、足元にばかりボールをほしがって、あっけなく相手にボールを奪われることもあった。
 FKも直接、ゴールが狙える位置では蹴りたがって、でも、枠すら捉えられていなかった。
 確かに点を取ったし、(外しちゃったけど)惜しいシーンも何回か作ったので、今回、スタメンで使ったことを完全に批判できないけど、試合中、「宇野沢クンがいたら、今、ボール持ってる選手に走っていくのに」とか思うことも何回かありました、次は宇野沢クン・貴章クンの2トップじゃダメかな。


 あと、停電について。
 停電した瞬間は本当に真っ暗になったので、ビックリしてちょっと心臓が痛くなりました。


 が、あのタイミングで落ちることないだろう、と怒りで心臓が痛くなったのも事実。
 ペナルティエリアで貴章クンが倒されたのに、やっぱり主審の柏原氏は停電のショックで忘れてしまい、うやむやの状態で試合が再開されてしまいました。
 中断中、帰りの電車のために泣く泣く会場を後にしている人もいました。


 事故とは言え、試合に影響を与えた(しかもレイソル側にとってはマイナス)のは確かなのに、最後にスタジアムDJが「アクシデントを乗り越えて勝利しました」みたいなコトを高らかに言っていたのには、ちょっと閉口しました、勝って嬉しいのは分かるけどそれはないんじゃないの。



【第2戦】

 本日のスタメンは、波戸さん、永田クン、土屋さん、平山クンの4バック、ボランチに明神様と大谷クン、2列目に大野クンとクレーベル、そして貴章クンとレイナウドの2トップと言う布陣。
 日立台に到着した時にこのスタメンを知りましたが、見た瞬間に頭の中が白くなりました。


 このメンバー表を見ただけでも、

1.水曜日の試合から中2日の日程なのに、あまり機能したことのない4バック。
2.外国人選手を(ベンチ入りも含めると)3人とも起用。
3.サイドのできる選手を1人も控えに入れない。
4.サツさんも増田さんもベンチにすら入っていない・・・。

 これだけの疑問がでてきました。


 今日の試合はどう言う意味を持っているのか分かっているのか?と早野さんがいたら問い詰めたい気分でした。


 今日の試合はもちろん「勝つ」と言うことも重要で、そのために今いるメンバーでベストの布陣を作らなければいけないのは当然でした、でも、それだけじゃない。
 今日の試合、これからの運命を「この選手になら託すことができる」とサポーターが感じるメンバーを出してほしかった。


 いったいスタンドの観客の何人が今日のスタメン(+ベンチ)を見て、「今日のメンバーがベストだ」と思ったのでしょうか?
 少なくとも私ともりやす、2人は「こんなのがベストな訳がない」と思ってました。


 最悪の事態も頭をかすめる状況でしたが、今日は勝つしかないんだと思い直して、応援をしました。


 が、思っていた不安がことごとく的中。
 個人技で何とかしようとする前線にバランスが崩れ、慣れない4バックにサイドからの攻撃がほとんどなくなり、こんな時にこそ走り回って気を吐くプレーを見せてくれた選手はベンチにもいない。


 貴章クンに代えてフランサを入れた時、スタンドがどよめいたのを監督は聞きましたか?
 私たちが「チームの運命を託してもいい」と思える選手はその外国人選手じゃないんですよ、共に戦いたいチームはこんなチームじゃないんですよ。


 終盤になっても1人で走り回る明神様や何とか得点のチャンスを作ろうと懸命にクロスを上げてるバウルを見てて悲しくなりました。


 2トップが宇野沢クンと貴章クンだったら。

 いつもの3バックだったら。


 サツさんがいてくれれば。
 増田さんがいてくれれば。


 甲府は本当に「自分たちのサッカー」を楽しくしていて、こんな「たられば」が現実になっていても勝てたかどうかは分かりません。
 でも、もう少し違う結果になったんじゃないか、もし負けたとしてももっと違う気持ちで事実を受け止められたんじゃないかと悔やまれてなりません。


 結果はあっけなく、本当にあっけなく終わりました。
 不思議と悲しみもなかったし、涙も出ない、ただただ「終わったんだ」と思いました。


 ただひとつだけ、勝っていたら、残留を決めてくれたら(もしかしたら負けていてもこんなに酷い結果じゃなかったら)行われていたであろう選手全員の挨拶が行われなかった、日立台で田ノ上クンやサツさんや姿を見ることが、増田さんに一言でもいいからお礼を言うことができなかったことが本当に悔いが残ります。


・・・・・


 試合終了後のことですが、途中まで残っていましたが、ゴール裏の代表の方がバックスタンドの観客を帰らせようと説得を始めたところで帰りました。


 「こんな騒ぎを起こしたらスポンサーが離れていくから、今日は帰ろう」と説得するゴール裏代表と、彼らはフロントの人間でもないのに「説明をしろ」とか「スポンサーが離れる前にサポーターが離れるだろ」と詰め寄るバックスタンド。
 私はサポグループに所属している訳じゃないけど、ゴール裏にいたから何となくゴール裏の人が言うことも分かるし、今日の試合を見て(たぶんそれ以前から不満はあったと思う)、そしてフロントではなく同じサポーターが説得しに来たことにバックスタンドの人が怒る気持ちも分かるような気がするし、同時に「どっちもどうなんだろう?」と言う気持ちもある。


 ただ、同じ「柏レイソル」を応援している人々がこんな言い争いをしなければならないことを悲しく思います。
 この状況を見て、フロントの方は何も思わなかったんでしょうか。


 「変わります」と社長は言ったけど、だったらこんな悲しい言い争いを見ていて何ら(すぐに)アクションを起こさないのはどうなんだろう?


 降格した手前、「1年で戻ります」は言わないといけない言葉だろうけど、それを実現されるのはとても困難な道のりだし、その前にもっともっとやらなければいけないことがたくさんあることに気付いてほしいです。



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