トップページ柏レイソル観戦記2004年>2004.12.4 アビスパ福岡×柏レイソル

■2004 J1・J2入れ替え戦 第1戦
2004.12.4(土)13:00〜 東平尾公園博多の森球技場
アビスパ福岡 0−2 柏レイソル
【得点者】柏−大野敏隆(47分)、谷澤達也(89分)

■もりやすの感想

 生まれて初めて常磐線の始発に乗り、一路福岡へ。なにやら12月にもなるのに台風がきているということで、天気を心配しながらも、大阪・横浜のように雨のアウェーは縁起がいいと思い込んで気持ちを高ぶらせていました。



 試合開始の笛が鳴り、とうとう屈辱の戦いが始まりました。序盤からボールを支配する福岡に対し、柏は攻撃も淡白に見え、防戦という感じを受けました。

 特に足元の玉際というか、ほとんどの競り合いにボールを奪われる場面が続き、イライラも募ります。「気合いいれろオイッ!!」と思わず声が出てしまいました。

 今季の福岡のサッカーをまともに見るのは初めてでしたが、連動的に走り、細かくそして速くパスを繋ぐ攻撃は、今の柏には脅威でした。個人能力では柏が上でも組織力でカバーしていきます。それとピッチコンディションに助けられた感もありました。

 玉田の奮起も実らず前半終了。スコアレスでしたが柏の劣勢は明らかでした。「前半はとにかく凌げ」ってな指示が試合前あったとしたらまあまあだったと思いますが、明らかに福岡のペース。不安が体を支配します。

 普段はトイレや煙草を済ますハーフタイムも、後半への不安と豪雨により何にもする気になれず。何度となく流れるオレンジレンジに頭痛がしました。(オレンジレンジさんごめんなさい。)



 福岡のメンバーよりだいぶ遅れて柏のメンバーがピッチへ。ぎりぎりまで戦術確認してたのでしょうか。頼む何とかしてくれ。体を震わしながら、柏の円陣に願います。

 後半開始。と直後にしなこの様子が何やらおかしい。雨で掻き消される声を聞くと、「具合わりい・・・」。おいおいマジか?大丈夫か?試合もさることながらしなこも心配です。

 「大丈夫か?」

 「もういいから」

 「いいからって何がよ?」

 「もういいから試合見なよ・・・」

 そういわれても・・・って思いながらピッチに目をやった瞬間、ボールがゴールへ吸い込まれたように見えます。俺は口をあんぐりさせ、状況が飲み込めず、やがて柏に先制点が入ったのだとわかると、妻しなこの体調もおかまいなしに、「うおっしゃー!!」と言いながらしなこの体を揺らしつづけます。

 待望の大野の得点。全くのラッキーです。でもこのラッキーがあるかないかはえらい違いです。とにもかくにも後半直後、試合が動きました。

 この後は福岡も前がかりになってきます。しかし、その攻撃はロングボールを放り込むもので、前半の攻撃が後半も続くとやばいと感じていた俺は、この福岡の戦術に少しだけほっとしました。冷静に我慢強く対処すれば何とかなると思ったからです。

 そんな中で不安に感じるのは、やはり「己」。一瞬のミスが全てを失ってしまいます。トラップミス・キックミス・クリアミス・・・今季の柏は自滅が多かっただけに、一瞬も気が抜けません。

 柏が我慢する時間が続き、試合もやや荒れてきます。柏は波戸の素晴らしいカットから、カウンターを仕掛ける場面を代表するように、カウンターを狙って行きますが、なかなか上手くいきません。本当に我慢の苦しい時間帯が続きました。

 そして、後半ロスタイム。4分です。長い。直後に福岡のFK。ほぼ真ん中の嫌な位置です。ロスタイムになってからより一層雨が強くなってきました。

 何とか弾き返し、こぼれ球に、明神のスライディングに水しぶきが舞います。直後、ボールは水溜りに止まり玉田が奪います。俺たちの方へ一直線へ向かってきます。真ん中には谷澤がフリーで走り込んでおり、玉田と谷澤の間にはDFが2人いました。

 玉田が相手に寄せられる前に、グラウンダーのクロスを谷澤に。この瞬間俺の中でスローモーションになりました。敵は2人、ボールが水で止まったらカットされてしまいます。「通れっ!!」柏の意思をもったボールは、2人のDFを通り抜け谷澤のもとへ・・・

 ここで谷澤がトラップしてしまったとしたら、結果はわかりません。ダイレで打ってくれと思った瞬間、谷澤の右足が振り抜かれました。矢のように地を這ったシュートは、GKをすり抜け俺たちのいるゴールへ突き刺さります。でかすぎる、あまりにもでかすぎる2点目が入りました。



 苦しい時間帯から一気につめたカウンター。強い雨が全く感じなくなるほどの歓喜。「やったあ!!」と叫んだ時でした。何やら嗚咽が聞こえます。俺は横を振り返りました。

 「おぼろぐあでべごろ〜」

 と、全く訳のわからない言葉を発しながら、顔をくしゃくしゃにして泣きじゃくっている妻しなこがいました。こんなに号泣のしなこも初めてです。

 体調が良くない中、豪雨にさらされつつも柏の勝利だけを信じ、その場から離れることをしなかった(俺がさせなかったのか?)しなこが、声を出して号泣しています。そんな姿を見て、そして今季あまりにも多かったいろいろな不満・屈辱に耐えてきたものが、この得点で一気に開放されたような気がして、俺も一気に涙が溢れ出てしまいました。

 あまりにもでかい2点目を奪った柏は、最後まで集中を切らさず、完封で試合終了。2点目と完封が、内容的には決して良くなかったこの試合を締めました。

 試合後はずぶぬれです。でも、着替えや後片付けをする柏サポの皆様の目は、みんなが輝いていました。久しぶりの勝利に酔う輝きと、「次も絶対勝たせる」という強い意志を皆様から感じました。そして俺もしなこも同じ目をしていたと思います。



 試合は終始福岡のペースでした。正直柏はラッキーでした。「失うものがなにもない」側と、「全てを失う恐怖を感じている」側との緊張感の差が、今日の試合の運の差だったのかも知れません。

 次の試合もビハインドはなく、締めてかからねばなりません。次の試合のホームが有利だとは全く思えません。今日の試合でようやく「同じ場所に立てた」と思います。全てはここからです。

 日立台の黄色の中で、喜びを得たい。そんな気持ちで一杯です。今日のこの試合は忘れて、日立台での勝利だけを目指して、もうひと踏ん張りして声を出したいと思います。


■しなこの感想

 絶不調・・・いや、私の体調の話ですけどね。


 本日のスタメンは、永田クン、中澤クン、近藤クン、波戸さんの4バック、明神様の1ボランチ、2列目に左・大野クン、右・増田さん、中央・リカさん、そして玉田クンと宇野沢クンの2トップと言う布陣。
 登録上、リカさんはFWになっていましたが、ボランチからトップ下までをカバーするまさに「大黒柱」の役割でした。


 博多の森に来るまでにいろいろ考えました。
 試合はどうなるんだろう。 勝てるのか? 負けたらどうなるんだろう? 1点差で負けるならまだ希望もあるけど、もし大差で負けたら・・・不安な時はやっぱり悪い方に想像が働いてしまいます。
 おまけにしなこさん、前日より体調を崩し、寝不足と長時間の移動(おまけに車中が寒くて、もりやすが心配して持ってきてくれたひざ掛けがなかったらもっとやられていました)ですっかりやられてしまい、心身共にグッタリした状態で博多の地に立ちました。


 そんな私にはつらい雨の中、試合開始。


 前半は終始押されっぱなしでした。
 立ち上がりの失点を恐れてかとにかくゴール前からボールを遠ざけようとして、周りに誰もいないのにムリにヘディングでクリアしたり、クリアが雑になってしまったりで、ボールが全く落ち着かず、攻めに転じることができませんでした。
 なかなか攻撃の形を作ることができず「点を取られるのは時間の問題だ」と感じました、「時間が切れるのが先か、選手の集中が切れるのが先か・・・」


 しかし、切れたのは時間の方でした、前半をなんとか守りきって後半へ。
 この頃から、しなこさん、だんだん激しくなる雨にすっかりやられて後半開始から立ってるのが辛くなってきてしまいました。
 福岡に来れない人たちの分まで応援すると誓ったのに・・・と思いながら、もりやすが心配して私の顔を覗き込んだ瞬間、目の前にあるもりやすの顔の向こう側でボールをキープしていた宇野沢クンが大野クンへパス、すかさずクロスを上げると福岡の選手に当たりボールは弱々しい軌跡を描いてゴール左すみへ吸い込まれていきました。


 えっ、ゴールなの?本当に?!
 見ていた私も、見れなかったもりやすも同じ気持ちで選手たちが喜ぶ姿を見ていました。


 でも、まだだ、1点を守りきろうとしてはダメだ、もう1点取らなきゃ。
 そんな不安が増すように福岡の攻撃が激しくなるのですが、永田クンや中澤クン、明神様が懸命に守りきりロスタイムへ。


 電光掲示板の表示が消えるころ、ピッチサイドを見ると「4」と言う文字が見えました。
 4分も?そんなにあるの?!と正直思いました。
 今シーズンはロスタイムに何度となく泣かされてきました、そんな記憶が「4分も?!」と言う不安をかき立てました。


 そんな不安が的中するかのように、ゴール前でのFK。
 その前にも同じような位置からのFKがあり、壁の外側から巻いてくるシュートに冷や汗が出たのを思い出し、ますます大きくなる不安。


 しかしFKが壁に跳ね返され大野クンが小さくクリアしたボールが福岡の選手に渡った瞬間、明神様が気迫のスライディング。
 ラインを割りそうなボールを玉田クンが懸命にダッシュして取ると福岡DF陣の間にを通すようにパス、その先に走り込んでいた谷澤クンがダイレクトでシュート!


 シュートはGKの手を弾きゴール右すみへ吸い込まれていきました。


 谷澤クンがゴール裏に走ってきてアピールする姿を見た後は涙でもう何も見えませんでした。
 今までこんなに男に泣かされたことはないよ、私は。こんなに泣かせて何てひどいヤツらだ、レイソルってチームは、と思うぐらい溢れる涙を抑えることができませんでした。


 最後まで2点差を守りきり試合終了。


 勝って嬉しいと言う気持ちももちろんありますが、まだ1試合残ってます。
 まだ試合があると言うことは、まだ結果は分からないと言うことです。
 そして、今度こそ、今度こそ、ホームでのラストゲームです。
 「日立台こそ我らがホーム」と言う試合を期待しています、来年もその先もずっと「日立台でレイソルの試合を見る幸せ」を感じさせてくれるような試合を。


 以下、雑感です。

・近藤クン・・・どうしちゃったんだろう。クリアがものすごい中途半端。序盤で失点のピンチを防いだりと要所ではがんばっているのは分かるけど、全体的に雑に見えました。攻撃もパスの出し所を探してウロウロしていたし。もうちょっとがんばれ。
・試合開始前のスタメン発表で電光掲示板に映し出された永田クンの名前が「永充」になってた。本当は「永太」なのに「永田」と間違えたり、「長田」と間違えるのはまぁ分からなくもないけど、どうやればこう間違えられるのか・・・。(試合内容とは全く関係なし)



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