トップページ柏レイソル観戦記>2003.8.2 ベガルタ仙台×柏レイソル

■ベガルタ仙台戦
2003.8.2(Sat)19:00〜 仙台スタジアム
ベガルタ仙台 1−2 柏レイソル
【得点者】仙台−佐藤寿人(89分)
柏−ジュシエ(24分)、矢野貴章(89分)

■もりやすの感想

 この試合、実はタイヨウフウフは指定席で観戦していました。

 チケット発売当初、チケットを取ろうとしたら売り切れ。ナビスコの二の舞を演じたタイヨウフウフは、その後毎日チケットの空席状況を確認し、指定席をとることが出来たのでした。

 仙台に到着したタイヨウフウフは、しっかり牛タンをたいらげ、いざ指定のチケットで、ドサクサに紛れてアウェー席に行っちゃおうと思っちゃったりしましたが、警備員を見てビビってしまい、結局指定で見ることにしました。

 と、いっても、指定席はA席南といってアウェー席とは頑丈なフェンスを挟んで5mも離れていない所でした。これなら柏の応援ができるや・・・と思っていましたが、指定席の周りは仙台1色。仙台サポの「熱さ」を感じるとともに、フェンスを恨めしく感じてしまいました。

 あ、でも僕たちの後ろの席(最後尾)に柏のユニきたお姉様が2人いたので、僕たちはホッとしつつも、依然圧倒的アウェー環境の中、試合をひっそり観戦したのです。



 前置きが長くなりましたが、仙台戦です。今日も3−5−2です。攻撃重視なのか守備陣人数不足なのかはわかりませんが、恐らく前者だったのかなと思います。

 なにしろ、この試合は序盤から平山が非常に高い位置でプレーできていました。平山が高い位置でボールを支配できれば、それは仙台の右サイドの攻撃を封じる事になります。光輝は根本を警戒しやや下がり目かなと思いましたが、「中盤を制圧する」ことがこの試合のカギかなと観てて思いました。

 ・・・と思っていたら、気がつきゃウノ、ジュシエ、玉田、平山の4トップかと思うような時間帯もあり、「攻める気持ちは感じるけれども大丈夫かいな。」と感じていましたが、リカルジーニョからの絶妙なサイドチェンジに、平山がクロス、大外でフリーになっていたジュシエが「ポコ」って感じで先制点です。少ないチャンスをシンプルに、一気にものにした柏が先制しました。

 「ぬおっしゃ〜〜っ!!」絶叫して飛び跳ねるタイヨウフウフ。しかしそこは圧倒的アウェーの指定席。微妙な空気が支配しましたが、そんなことお構いなしで喜びを爆発させてしまいました。

 前半終了1−0。柏は前半仙台のミスに助けられた感じがするほど仙台はミスが多かったと思います。しかし柏も先制こそしたものの、その他の決定的場面をモノに出来なかったことに不安を感じさせました。かくして・・・激動の後半が始まったのでした。



 後半、柏は前半ほど効果的な攻めはほとんどといっていいほど出来ていませんでした。一方ホームの仙台は必死の形相で攻撃をしますが、相変わらずの決定力不足で、次の1点を巡る緊迫した展開となりました。

 終了5分前。浦和戦の嫌な経験がうっすらとよぎった時、事件はおきました。ペナルティエリア直前で平山がファウルを取られたのです。あまりボールと関係ないところでのプッシングでした。たまたま見ちゃったとしか思えない主審の判定に、嫌な雰囲気が漂います。

 FK。ボールはバーにあたり自陣ゴール前で混戦です。そんな中、柏の選手3人がボールへよったところをヘッドで繋がれ、佐藤寿に決められてしまいました。

 その瞬間、スタジアムが揺れるほどの歓声が地鳴りをおこすように起こり、俺はその時仙台にいることを再認識してしまいました。と、同時にこの現実を受け入れることができず、ただ呆然と席に座っていました。「・・・またか・・・」絶望に浸りきっていたその時ひとつの声が聞こえてきました。アウェー席の「柏レイソル」コールです。そうだ、まだ試合は終わっていない。指定席にいて雰囲気に飲まれ、諦めかけていた俺を「しっかりしろお前。」と叱咤されるように「柏レイソル」コールが聞こえてきました。

 まだ諦めちゃダメだ。さっきまでの自分を猛烈に反省し、周りを気にせず声を張り上げます。ロスタイムは3分。しかし、そのロスタイムは既に仙台の猛攻の時間帯となっていました。流れは既に仙台か・・・しかしここで、今ステージの立役者リカルジーニョが動きました。

 彼独特の「かっさらう」ようなボール奪取から、それにいち早く反応したジュシエがサイドを駆け上がります。ボールをもらい迷わず走りだしたジュシエはグラウンダーのクロス。柏の選手が飛び込みますがボールに触れることはできず・・・と、そこに大外から飛び込んだ途中出場の貴章が「奇跡のゴール」を叩き込みました。

 これほどドラマチックな試合があっただろうか・・・今となっては覚えてないほど興奮したゴールの瞬間でした。そして試合終了。こんな形で中断あけ初勝利になるとは・・・・本当に奇跡の瞬間でした。

 スタジアムはごく一部(もちろんアウェー席)を除いて静まり返っていました。数分前の大歓声が嘘のように。こんな光景もそうそう見れるものではないでしょう。それほど唐突に訪れたドラマでした。



 最後に勝利をモノにしたレイソル。この試合は確実に次のステージに生きることでしょう。一瞬でも諦めてしまった俺は今、猛烈に恥じています。「諦めないこと」・・・教訓にします。

 次は仕切り直しの2NDステージです。京都にはあの男たちが・・・・この試合をフイにしないためにも、ホームで圧勝できるよう「諦めずに」応援しようと思います。


■しなこの感想

 いやぁ、いまだに信じられなくて、勝利が(爆)
 って、これでは観戦記にならないし、本当に勝ったらしいので、もう少し感想を。


 再開後は勝ちなしで、場所はあの「鬼門」仙スタ。
 勝ってほしいのは当然ですが、せめて、せめてセカンドにつながるような試合をしておくれ、と願いつつ仙台に向いました。


 で、仙スタに到着したのですが、指定の入場口からアウェイ自由席の出入りが完全にできなくなっていました。
 おまけにアウェイ自由席が去年よりも小さくなってる・・・確か去年は後ろを向くとオーロラビジョンが見えたような気がしたし、アウェイ自由席の境界もあんなに厳重ではなかったように記憶してます、記憶違いか?


 そんなアウェイの空気を感じつつ、やっとのことで入手した指定席に座ると、来る人来る人、みーんなオレンジのユニやらタオルマフラー着用で、「おぉ、超アウェイ」とここでも更に驚いてました。


 試合もホームらしく仙台優勢でした。
 とくにレイソルが先制してからは、仙台が押し気味で試合をすすめていたように見えました。


 が、ゴール前で何度もピンチを迎えるのですが、仙台のシュートはゴールの枠に飛ばなくて、その決定力の弱さに何度も助けられました。
 レイソルも何度かゴール前でGKと1対1になるチャンスを作ったのですが、これまたシュートが枠に行かず。


 そんな膠着状態で試合終盤を迎えた時、平山クンのファウルを取られてゴール前FKのピンチ。
 FKはゴールバーに当たり、一旦は跳ね返したのですが、この時は仙台の方が冷静で、柏の選手が3人ほど上がったボールにつられて、おまけに仙台の選手は1人しかいないのに競り負けてしまい、、マークが外れた選手にボールが渡りシュート。


 スタジアム中に大歓声、もちろん私たちの周りも大騒ぎでした。
 「あ〜ぁ、またか」と浦和戦を思い出してしまいましたが、周りの大歓声を聞いて、私の中の意地が目を覚ましました。
 「ちきしょう、このまま負けられるかっつ〜の〜!!!」と言う気持ちがフツフツと湧いてきて、気がつけばアウェイ自由席といっしょに「柏レイソル」コールをしてました。(さすがに立ち上がれなかったが)


 取り合えず、ロスタイムは3分ある、意地を見せろ〜、と心の中で念じてました。
 が、押せ押せなのは仙台の方で柏ゴール前にボールが来るとスタジアムの歓声が大きくなり、その歓声が何度も上がりました。
 その雰囲気に飲まれて、柏の選手が焦っているのも見てて分かりました。


 「頼む、1点取ってくれ。少なくとも負けだけはやめて〜。」と念じていると、私の心の声を聞いたのか、リカさんが仙台の選手からボールをもぎ取るとカウンター一閃。
 ゴール前に上がったクロスに玉田クンが飛びつくもののボールに触れず、「もうダメなのか?(涙)」と思ったところに、玉田クンにつられてマークがはずれた矢野クンが大外から飛び込んできてシュート。


 一瞬、目の前で起こったことが信じられなかったです。
 気がついたら、後ろに座っていたレイソルサポの女性2人と4人で飛び上がって叫んでいました、きっと外から見ると、「静まり返った指定席で大はしゃぎの4人」と言う感じかと(爆)


 試合の内容は決してよくなかったです。
 決定的な場面を作りながら結果は1得点、しかも試合終了直前に失点して、その1点を守りきれなかったし。
 でも、本当に嬉しかったです、ただただ嬉しいです。


 仙台の得点で1度は遠くなった「勝利」を引き戻した。
 そのことが素直に嬉しかったです。



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