エピソード1 沖縄か?道後温泉か?? |
7月3日水曜日。 台風5号は順調に沖縄県へ近づいていた。グイグイと近づいていた。 沖縄沖縄といっても、沖縄は実に広い。 那覇市のある沖縄本島から、石垣島や西表島のある八重山諸島まで ゆうに400キロ以上は離れていて これは東京〜大阪間よりも遠い。 だから普通<台風が沖縄を直撃!>と内地(本土)で言っていても、 那覇は大嵐だけれど、石垣島や宮古島は屁でもなかったわ♪ということもよくあるのである。 ところが、今回の台風5号は、なかなかでかかった。 本島と八重山諸島の間にある宮古島に向かいつつ、本島も八重山諸島をも強風圏に巻き込みつつ あったのだ。 OH!MY GOD! 果たして飛行機は那覇へ飛ぶのか????? ともあれ我々夫婦は香川県の高松空港へ向かった。 飛行機が飛ばなかったら、日帰りで道後温泉でも行こか〜?などと引きつった顔で笑いながら。 高松は快晴だった。梅雨とは思えない、よい天気だった。チクショ〜〜ウ。 さて、案の定、那覇行きの飛行機は<当地の天候調査中>で、出発が遅れていた。 ギリギリまで飛ぶか飛ばないか??で悩んでいたのである。 搭乗ロビーには、すでに南国リゾートモードになったバミューダ&サンダル姿のオヤジや 裸同然の格好のお嬢さん達が所在なく突っ立っている。 その脇を、ビシッとスーツ姿もりりしい男ども女どもが足早にすり抜けていく。 沖縄行きとほぼ同じ時間に、東京行きの便が出るのである。 みんな出張のサラリーマンやサラリーウーマン達であろう。 ・・・しかし、ここまで極端に服装の違う行き先ってのもないよなぁ・・・・・・・などと思いつつ、やがて 「那覇行きは飛びます」のアナウンスが! とはいえ、那覇の天気次第では引き返します!と念押しされての出発であるから 我々も周囲の皆も<ヤッタァ〜〜♪♪>などという雰囲気はゼロである。 ・・・どないなるんかいのぅ・・・・・・ と、実にすっきりしない面もちで、皆、機上の人となったのだった。 離陸して間もなく、機長からのアナウンスがあった。 いわく 「那覇は現在、着陸できるギリギリの風速です。」 「私達乗務員一同、全力を尽くしてフライトいたします。」 思わず私と夫は顔を見合わせて、ハモってしまった。 「全力は尽くさんでいい!無理せんと帰る時は帰ってね!」 そう、真の勇気は撤退する勇気よ〜〜〜〜〜〜!!! それはともかく、離陸してしまえば世界は取りあえず平和である。 なので、私はこの平和な世界で、仕事を始めることにした。やりたくなかったけど。 やりたくないけど、我が家の休暇は 毎年、会社員である夫の都合に合わせて年の初めに決めてしまうのである。 決めた以上、よっぽどのことが無い限り休暇は決行されるのである。 とほほだけれど仕方がない。 私は平和な機内で、黙々と仕事の資料を読んだ。 傍らの夫は、機内放送の落語を聞いてひとりケラケラ笑っている。 本日の演者は桂米朝と桂ざこば。ムチャクチャ面白いそうだ。チクショーー!! そんなこんなしているうちに、飛行機は奄美大島の上空へ。 引き返すのなら、もうこのあたりを限界にして欲しい。 那覇の直前で「やっぱり帰りますわ」なんて言わないで〜〜と思っていたところへ 再び機長のアナウンス。 「那覇はギリギリ。全力を尽くしま〜〜す。」と、再度言う。 尽くさなくってもいいのよ〜〜〜〜〜〜〜!!と我々。 それでも午前11時45分。我らの便は無事那覇に着いたのだった。 ありがとう〜〜!!乗務員の皆さん!!! そして那覇空港に着いてみて驚いたのは、我々の後にやって来る午後からの便は のきなみ欠航になっていたのだ。 どうやら我々および香川県人は、ギリギリのところで那覇までやって来られたらしい。 ありがたかった。 そう、この時はひたすら我が身の幸運に感謝していたのである。私達は。 この後、旅がどんな展開を見せるか、この時点では知る由もなかったので・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 エピソード2へ進む> <ヘロヘロ旅行記>目次へ戻る トップページへ戻る |