青春デンデケデケデケ

1992年 日本映画     大林宣彦 監督作品





原作は、芦原すなおさんの直木賞受賞作品。
1960年代の香川県観音寺市を舞台にした、青春小説の傑作の映画化。
全編、讃岐弁(正しくは、香川県西部の西讃<せいさん>弁)で演じられる
香川県人にとっては、たまらん映画なんじゃわ!!




<あらすじ>

1965年、高校入学直前の春休み。
ラジオから流れ出た、ベンチャーズの名曲<パイプライン>に心をワシづかみにされた
主人公<ちっくん>。
高校入学と同時にバンド仲間を募り、ロックにのめり込む。
やがて高校3年の文化祭の晴れ舞台、そして・・・。

全編に流れる60年代のロックがそりゃもう素敵な映画。









さて、バンドの面々。
キャラクターが皆素晴らしい!!
特に素敵なのが、お寺の息子、合田富士男。

小説でも突出したキャラクターだったけれど、
映画で彼を演じた大森嘉之君もまた良かった♪
するどい目つき、でかい口、浅黒い肌、
・・・ええ、ようするに
私の好みにバッチリなツラがまえという
ただそれだけのことですけれど・・・。


ともかく彼は、この映画における
私のアイドル♪♪


(基本的には笑わせるキャラクターなので、
シリアスにベースを弾く時の顔が
なかなかにりりしくてよろしい。ほほほ。)






天才ギターマン白井清一を演ずるのは
まだ10代の浅野忠信!

私は10年前、この映画で初めて
浅野忠信という役者を知った。
だもんで、
今や個性派若手俳優No.1となった彼も、
いまだにどこか
田舎の素朴な高校生に見えて仕方がない。
浅野君的には迷惑至極な話だろうけれども。





しかし!
讃岐弁(西讃弁)をしゃべる浅野忠信なんて
今後の彼の役者人生ではありえない役かもしれない。
と、言うわけで、やはりこれは香川県人にとっては
大変貴重な映画かも!?


ついでに言えば、白井がギターを弾くとき、おもむろにかけてる眼鏡をはずす。
この仕草が、なんとも格好良い良い♪♪





素敵なのはバンドの面々だけではない。
主人公達が通う高校の先生達がまたナイス!

岸辺一徳演じる、英語の寺内先生も良かったけれど、
私はこの先生も大好き♪

文化祭の前夜、泊まり込みをしているバンドの部室に見回りに来、
「先生、明日は、わしらのステージを見に来てつかよ(くださいね)」
と主人公達に言われて・・・






私はこの映画を観ていて思い出した。
自分の高校の頃のこと。

大人が大っ嫌いだった。親が嫌いだった。
教師達も大嫌いだった。
けれど、好きだった先生も、確かにいたのだ。

高校一年の時の担任の先生は、クラス全員がその先生を大好きだった。
楽しくて、厳しくて、誠実で、熱意に溢れていて。
今も先生は元気で、
私の家からそう遠くない、公立の高校で校長先生をされている。
県内でも、名教師のひとりでいらっしゃる。

そう、私はあの先生が大好きだったんだ。

・・・そういうことを思い出した。

もちろん、ちっくん達の高校にも、イヤな教師はいただろうけれど、
小説にも映画にも、あえてそういう教師は出して来ない。
出てくるのは、主人公達にとって、
暖かくて厳しくて、魅力的な先生達だ。

ああ、イマワノキヨシロウのかの名曲
<僕の好きな先生>が頭の中に響き渡る・・・。
(泣ける。)





と、言うわけで、
この映画の幸福度は   99点! 

なんで??100点じゃないの?!?と言われそうですが、
この映画、公開当時も話題になったけれど、
日本映画史上最大とも言われる、ものすごいカット数の映画。
それはもうテンポ良く、ものすごく楽しく観られるのだけれど、
その細かいカットに合わせて、役者のしゃべるセリフも異様に早口なのである。
だもんで、早口すぎて、香川県人の私でさえ、
何度ビデオを観直しても聞き取れないセリフが2〜3あるのだ。
これがどう〜にももどかしくって、マイナス1点。

でももし、全てのセリフが聞き取れるのなら
150点!!差し上げたいくらいです。



(+50点は、合田富士男への50点だな。)




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